2Dアクション好きのゲーム日記

ゲームについて書く。2Dアクション多め。

『ロックマンX』8作品シリーズレビュー:栄光と迷走の歴史。エックスと共に、君は強くなる(前編)

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前半戦。『X1』~『X4』まで。

 

 

ロックマンX』シリーズとは

遊んだことはなくとも、ロックマンの名前とちょっとしたゲームの特徴くらいは、一度は目にしたことがあるでしょう。

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そう、こういうステージセレクト画面があって、バスターをちゅんちゅん撃って頑張って攻略し、ボスを倒すと特殊武器が手に入って、それが他のボスの弱点になっていて……というアレです。

 

詳しくはこちらのレビューで!

『ロックマン』11作品シリーズレビュー:やっぱり本家は面白い。安心ブランドの名作シリーズ - 2Dアクション好きのゲーム日記

 

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ロックマンXシリーズは、ロックマン』の100年後を描く直系の続編としてその要素を色濃く受け継ぎつつ、新たな魅力の開拓に挑んだ派生シリーズの一つ。

今回はロックマンX アニバーサリーコレクション1+2』に収録された、シリーズのナンバリング全8作品をレビューしていきます。

現在スマホで展開中の『ロックマンX DiVE』や、その他の外伝作品は含まないのであしからず。

 

人間的思考を持つレプリロイド同士の果てしなき戦い

21XX年。人間に限りなく近い思考能力を持つロボット、"レプリロイド"が人間と共存する時代。

レプリロイドは高度な演算能力を持つが故に暴走することもあり、そうしたレプリロイドは"イレギュラー"と呼ばれ、同じレプリロイドである"イレギュラーハンター"によって処分されていました。

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主人公"エックス"もまたハンターの一員ですが、その心優しさから本来の力を発揮できず、他のハンターからは軽んじられていました。唯一の理解者であり、友である"ゼロ"を除いて……

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ある日、エックス達の隊長であり、最強のハンターであったはずの"シグマ"が、突如として人類に反旗を翻します。

多くのハンターが反乱に加担し、逆らう者は破壊され、世界が混乱に陥る中……エックスとゼロは正義の心を胸に、シグマに立ち向かいます。

その戦火が、長きにわたるレプリロイド同士の激しい争いの歴史へと繋がっていくことを知らずに……

 

本シリーズでは、比較的コミカル寄りで敵役のワイリーも憎めないキャラ付けだった初代ロックマンシリーズとは異なり、自分の意思を持つレプリロイド同士の戦いと、その中で己の宿命に苦悩するエックスとゼロのハードでシリアスな物語が描かれる……

ということになってます。一応は。

プロットが目指すビジョンはシリアスでも、表現力が伴わないこともしばしば。

 

『X3』までは比較的シンプルなストーリーですが、『X4』からはエックスとゼロのダブル主人公となり、会話デモも増量。

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『X7』からは新世代型レプリロイドの"アクセル"が主人公として加わり、新たな視点から物語を盛り上げます。

ロックマン』の時代から100年越しの因縁を含め、様々なキャラクターを交えつつ展開される物語は、色々な意味で見応え十分のものになっています。

 

ちなみに、初代シリーズを事前にやっておかないと話が分からない、ということはほぼ無いのでご安心を。

善と悪の心を持った2人の天才科学者がいたことをなんとなく頭に入れておけば十分でしょう。

 

ロックマン』から受け継いだ「答えのあるアクションゲーム」の魅力

初代ロックマンシリーズは、アクションゲームの不得手な人にも向けて、難しい場面に直面しても「これさえあればクリアできる」という"答え"のあるアクションゲームとして作られました。

それが8ボスのステージ選択、ボスを倒して得る特殊武器、それを使った弱点関係といった要素であります。

 

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Xシリーズにもその特徴は引き継がれており、「苦戦したら別のステージへ挑んで、弱点武器を取ってくる」といった攻略が可能。

作品にもよりますが、ボスに対して弱点を突けば一方的にパターンにはめて倒すこともできます。

さらに後述する強化要素の一環として、特殊武器のチャージ攻撃によって性能が変化する要素も追加され、新たな魅力を拡張しています。

 

ダッシュと壁蹴りによるハイスピードアクション

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初代シリーズとの差別化要素のうち、代表的なものがダッシュと壁蹴り。

ダッシュはスライディングと異なりスムーズに他の操作と組み合わせられるため、ゲーム全体をよりスピーディで爽快感のあるアクションに進化させました。

さらに壁を蹴って登れるようになったことで、より高低差を活かしたアクションも可能に。

これらの追加によって、従来のロックマンよりもアクションの幅が大きく広がりました。

 

戦いの中で、エックスは強くなる

もうひとつ、Xシリーズならではの要素として挙げられるのが、ステージに隠されたアイテムを集めることによるエックス達の強化。

最初は心許ないHPも、ライフアップを取得することで徐々にゲージが伸びていきます。

また、E缶が無い代わりにサブタンクを取得することで回復アイテムの余剰回復分をストックできるようになったり。

 

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他にも作品によって色々な要素がありますが、目玉となるのはやはりエックスのアーマーシステム。

ボディ、ヘッド、アーム、フットの4パーツからなり、チャージショットの強化、ダメージ軽減や空中ダッシュ機能など、各部位に合わせた能力が備わっています。

毎作新たなアーマーが用意され、パワーアップを重ねていくこのアーマーパーツ集めは、Xシリーズを通した大きな魅力のひとつ。

諸々の強化アイテムの収集には特殊武器や他のアーマーパーツが必要な場合もあったりするので、それを考慮に入れて攻略順を決めるのも面白いところ。単に弱点順に巡るのではないスパイスになっています。

 

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その他にも、ライドアーマーライドチェイサーなどの乗り物がよく登場するのも、Xシリーズの特徴のひとつです。

 

作品によって方向性はまちまち

  • 特殊武器を使った、『ロックマン』らしい"答え"の要素。
  • ダッシュや壁蹴りによるハイスピードアクション。
  • アイテム収集による強化要素。

Xシリーズを通したアクションゲームとしての特徴は、概ねこの3点。

ですが、どの要素に比重が置かれているかは作品によってまちまち。

ダッシュ&バスターで気持ちよく進めるのが楽しいけど特殊武器はちょっと使いにくかったり、逆に特殊武器の使い分けや強化による攻略が楽しいけどスピード感はそれほど得られなかったり……といった具合。

その辺りを踏まえた上で、ここからは各作品にひとつずつ触れていきます。

 

ロックマンX

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1993年発売。スーパーファミコン発の新たなロックマンとして、シリーズがスタート。

エックス、ゼロ、シグマによる始まりの戦いを描く本作では、シナリオ・システム共にエックスの成長物語としての面が強く表れています。

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OPステージで強敵"VAVA"にコテンパンに打ちのめされたり、最初はフットパーツを得るまでダッシュできないなど、ゲーム開始時のエックスがとりわけ弱く設定されているところが象徴的。

そんなスタートなので、アーマーや特殊武器を集めてエックスが強くなっていく過程もより印象的です。

最後に待ち受けるシグマはべらぼうに強く、エックスとプレイヤーが共にしっかり成長しなければ打ち勝つことはできませんが、それがまた物語に厚みを与えています。

 

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本作の特殊武器はシンプルで強く、使い所がわかりやすい優秀なものが揃っています。

特に、敵の密度が高く難しいシグマステージを、特殊武器チャージを駆使して突っ切って行くのは非常に爽快。

最初の作品なだけにアーマーの性能はオーソドックスで、エックスの身体能力が高くない分、特殊武器の存在感がより強めに感じられます。

個人的にはここが結構好きな設計。

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もちろん、本作の強化チャージショットであるスパイラルチャージも、背中に判定があったり、シンプル故に扱いやすい強さがありますが。

 

その他の特徴的な点としては、ステージをクリアすると他のステージに影響が表れます。

f:id:tea_creates:20211216082137j:plain一例としては、南極のペンギーゴステージをクリアするとナウマンダーステージの溶岩が凍りつき、その上を渡ってライフアップを取れるようになるなど。

後のシリーズ作でも同じような要素があったりしますが、本作は変化がわかりやすく様々なメリットがあるため、ステージ攻略順序の選択にもう一捻り加えられています。

 

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最初はダッシュできない、特殊武器の存在感が強い、ギミックの変化によって攻略順序がより重要になる……といった点では、ロックマン』の続編としての色が濃く表れています。

それでいてエックスの成長物語としての面も強く、1作目ということもありロックマンX』のシリーズコンセプトを最も純粋に表したタイトルではないかと思います。

基本部分の完成度も高く、シリーズ初作でありながら非常にハイレベルにまとまった一作。

最初に遊ぶなら、まず本作からで間違いないでしょう。

 

ロックマンX2

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1994年発売。カプコンの独自チップCX4を搭載し、ワイヤーフレーム演出が組み込まれたり巨大ボスが動いたりとグラフィック表現がパワーアップ。

開発者的には制約が多く、使いにくかったようですが……*1

 

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シグマとの戦いから半年後、"カウンターハンター"を名乗る新たな敵が出現。

前回の戦いで死亡したと思われていたゼロの行方を巡り、エックスの新たな戦いが始まります。

 

今作からはダッシュが標準搭載。

ゲーム開始時からハイスピードなアクションが楽しめるようになりました。

ダッシュ壁蹴りが出しやすくなるなど、操作性も改善。

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さらに、フットパーツの獲得で空中ダッシュもできるようになります。

今でこそ様々なアクションゲームで取り入れられている空中ダッシュですが、当時としては画期的だったのではないでしょうか。

 

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アームパーツによる強化チャージはダブルチャージショット。

発射時に足を止めてしまう点がやや動かしづらいものの、連続で当てた時の威力が高く、シリーズ中でも頼りがいのある技です。

そのお手軽な強さから、特殊武器の出番を若干食ってる感じもしますが……

特殊武器が特別弱いわけではなく、使い所もしっかりあるものの、前作のそれと比べるとやや存在感は薄め。

その辺りを楽しみたい場合は意識して使っていく必要があります。

 

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ゲームがある程度進むと、ステージ中にカウンターハンターが乱入。

ステージを出入りする度にカウンターハンターが潜むステージも変わるので、ステージ選択にひとつのアクセントを与えています。

 

ステージやザコ敵、ボスの構成は、終盤の一部を除けば全体的にクセが少なく正統派。

ダブルチャージの強さや空中ダッシュの追加もあって、バスター&ダッシュで駆け抜けるのが楽しい構成になっています。

一方、ダブルチャージで半ばゴリ押し的に進めてしまえるようなところもあり、人によってはやや大味さを感じる場合もあるかもしれません。

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バイオレンの攻撃パターンとかも正直どうかと思う

トータル的には前作からスピーディなアクション性を中心に順当にパワーアップしており、出来は手堅く、かつお手軽に楽しめる優等生な一作です。

 

ロックマンX3

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1995年発売。キャラクターデザインはカプコンチームですが、ゲーム開発を担当したのは『ロックマンワールド』シリーズにも携わった水口エンジニアリング。

後々PlayStationセガサターンへの移植も行われました。

 

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本作では新たな敵"ドップラー軍団"に加え、復活した宿敵VAVA MK-2も登場。

彼らはX2同様の乱入ボスとして戦うことができ、そこで弱点武器を使うかによって終盤のボスが変わったりもします。

また、シグマの正体がコンピュータウィルスであることも発覚し、復活の秘密が明かされます。

もっとも、今作でワクチンにより倒れた後も特に説明なく復活するのですが……

 

ゲームの特徴としては、収集アイテムの種類が多いこと。

アーマー性能を更に向上させる強化チップが追加されたほか、今作ではステージの特定ポイントでライドアーマーを呼び出せるようになり、そのライドアーマーをアンロックするアイテムも各所に隠されています。

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射撃用や水中用など、ライドアーマーのバリエーションはシリーズ1。

しかし、ゲームの尺に対して要素の詰め込み方がややとっ散らかり気味な印象もあります。

アイテムの入手に他のアーマーパーツなり特殊武器が必要……というのはよくあることですが、要素が多い分ここらの関係性が複雑で、適切な攻略順でないとなかなかアイテムが集まりません。

強化チップを見つけたけど肝心のアーマーが無い……なんてこともしばしば。

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一部には入手の手順が直感的でなく、ちょっとわかりにくいものがあったりもします。こことかどういう発想だったんですかね……?

初見では8ボス倒したけど全然アイテムが集まってない……ということも多いのではないでしょうか。

 

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肝心の強化内容についても、目玉である新チャージショットのクロスチャージは使いにくくて評判が悪かったり。

見た目はとにかくカッコいいし、ピーキーな所も含めてから自分は結構好きですが……特殊武器のスピニングブレードの方が安定して強い、という意見もわかるところ。

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もちろん、横方向だけでなく上方向へも移動可能になったヴァリアブルエアダッシュなど、普通に便利なものもあります。

強化チップがあれば空中で2回ダッシュできるようになり、ラスボス戦で特に有効。

色々と手間のかかる一面もありますが、その分隠し要素も含めてフル強化した時の万能感はなかなかのもの。

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黄金のアーマー! ゼロから譲り受けたビームサーベル

これはもうわかりやすくテンション上がる……!

 

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その他の特徴として、限定的ではありますがゼロを操作可能です。

『X4』以降はセイバー主体になるゼロですが、今作では従来通りバスターがメイン武器。

ダブルチャージからのセイバー攻撃をプレイヤー側で使える貴重なタイトルとなっています。

 

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前述の強化収集周りのとっ散らかり具合に加え、やたら突進攻撃をするボスが多かったり、色々と不器用さが目立ちはしますが、一方で個々の要素の作り込みにはこだわりも感じられます。ドット絵のクオリティの高さも見所。

最初はX2と比べてやや硬めなザコ敵が気になるものの、特殊武器を活用すればスイスイ抜けられるようになったり、全体的に勝手をわかった上で遊ぶと楽しくなるつくり。

 

個人的には、フル強化の万能感はもちろん、無強化状態でのバスター縛りも理不尽ではない歯応えで結構楽しめたこともあり、わりと好きな一作です。

 

ロックマンX4

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1997年発売。PlayStation及びセガサターンへ正式に移行し、グラフィックや演出が大幅にパワーアップ。

ストーリーを彩るアニメムービーが追加され、キャラクターボイスが付き、細かく描き込まれたドット絵がよりなめらかに動くようになるなど、非常に華やかになりました。

ドット絵好きとしては、シリーズで最も見た目の満足度が高いタイトルです。

また、パスワード式からセーブデータ式に変わり、終盤ステージの進行状況も保存できるようになるなど、細部の遊びやすさも向上しています。

 

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今作で敵となるのは、レプリロイドだけの軍隊"レプリフォース"

とあるテロ事件でイレギュラーの疑いをかけられたレプリフォースは、イレギュラーハンターと真っ向から対立。本来平和のために戦う者同士の、あってはならない悲しき戦いが繰り広げられます。

まぁ、引き金となった"カーネル"の危なっかしい言動は、かなりツッコミどころもありますが……

 

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最大の特徴はゼロが正式に主人公として加わり、エックスとのダブル主人公となったこと。

後の作品とは異なり、今作ではゲーム開始時にどちらか選んだら最後までそのキャラでプレイする方式です。

性能は明確に差別化されており、エックスが従来通りバスターを武器に戦う一方、ゼロは近接特化の"ゼットセイバー"を手に戦います。

ここからはそれぞれのプレイ感を書いていきましょう。

 

エックス編

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シリーズ中でも特に、バスターで突き進む爽快感にあふれた作風と言えます。

演出の強化もあって、チャージショットで細かい敵を一掃する気持ち良さは抜群のもの。

 

今回はアームパーツが2種類用意され、強力な一撃を放つプラズマチャージと4発のチャージショットを貯め込み連続発射できるストックチャージから選ぶことができます。

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個人的なオススメは断然プラズマチャージ。

とにかく使いやすくて見た目のインパクトも抜群です。

ただ、バスターが楽しい一方、特殊武器は使いにくかったり控えめな性能のものが多め。

もちろんボスの弱点武器としては機能するものの、それ以外の出番に乏しく、やや寂しいところではあります。

 

ゼロ編

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一方のゼロは、これまでの自慢のバスターは捨て去り、セイバーのみで戦います。

後に単独主人公を務める『ロックマンゼロ』シリーズと比べるとまだ若干滑らかさに欠けるものの、ダッシュで一気に距離を詰めて三段斬りで斬り伏せる快感は抜群のもの。

 

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また、エックスはボスを倒すことで特殊武器を手に入れますが、ゼロの場合は基本的な性能がアップしたり、コマンド技が増えていくような方式。

武器の切り替えが無く、即座に技を出せるため、よりスピーディなアクションが可能と言えます。

ただ今作では一部のスキルが機動力の向上のみのため、弱点を突けないボスがいるという欠点も抱えており、この点は次作『X5』での改善を待つ形になります。

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これに加え、接近戦を行う都合上被弾のリスクが高く、またエックスのようにアーマーを持たないことから防御力も低かったりと、エックスに比べるとやや上級者向けのキャラとも言えます。

 

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ちなみにストーリーもエックスとゼロで違いがありますが、エックスの相棒がドジでぽっちゃりした新入りの後輩なのに対し、ゼロに付いているのは可憐なヒロイン"アイリス"。だいぶムードに差を感じます。

アニメムービーもゼロの方が2つ分多く、そのうち片方はシグマとゼロの過去の因縁が明かされる重要なもの。

ゼロのためのストーリーに、おまけでエックス編も付いてるような印象は拭えません。

 

全体的な所感

エックスとゼロは明確な差別化が図られ、全く異なる体験となっています。

一方、キャラが2人に分かれた分、強化収集要素はかなりシンプル。

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ステージのド真ん中にライフアップがそのまま置いてあるような無造作っぷりは、流石に気になるところではあります。

アクションゲームとしてはこれくらいコンパクトでいい! と主張する自分も、いないことはないのですが。

 

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ステージ構成も全体的にあっさりめですが、個人的に本作の魅力が詰まっていると思うのはボス戦。

キレのあるアニメーションとボイスによる演出の豊かさに加え、ドラグーンやビストレオを筆頭にわかりやすくもアグレッシブな動きで飽きさせない攻撃パターンのボスが多く、なんというか戦闘のテンポが心地よく感じます。

終盤はそうでもない奴もいますが……

リトライシステムの改修でボス戦がやり直しやすくなってもいるので、歯応えやスピード感、アクションゲームらしい魅力を求める人なら、弱点を縛って挑むのが楽しいのでオススメしたいところ。

 

ということで全体的に、豪華な演出を味わいつつバスター/セイバー&ダッシュで駆け抜ける爽快ハイスピードアクションとしての趣が強く、それ以外はわりとスリムなタイトルとなっています。

『X2』に並んで、手軽に最速で「楽しさ」にアクセスできる一作ではないでしょうか。

 

ひとこと感想

X1:最も純粋かつ完成度の高いロックマンX

X2:手堅く軽やかに楽しめる優等生

X3:やや不器用だが作り込みのこだわりも感じる

X4:豪華でありつつ、あっさり風味で味わいやすい

 

後編へ

長くなったので、前編はここまで。

後編へ続く。

『ロックマンX』8作品シリーズレビュー:栄光と迷走の歴史。エックスと共に、君は強くなる(後編) - 2Dアクション好きのゲーム日記

 

 

*1:R20+5 ロックマン&ロックマンX オフィシャルコンプリートワークス P.163