本日公開の『ゴジラ×コング 新たなる帝国』を見てきました。
前作の『ゴジラVSコング』の「お話のIQは下げてとにかく怪獣バトルを思いっきりやるぜ!」な作風をそのまま引き継ぎパワーアップした内容でめちゃくちゃ良かった。
やっぱアダム・ウィンガード監督の撮る怪獣バトルは最高だな!!
というわけで今回見て面白かったところなんかをざっくり箇条書きしてく。
こういう映画は特に深く考察することもないから「おもしれー!」ってなったところを雑にいっぱい書いとけばいいんだ。
当然ながらネタバレ全開の記事になるのでご注意を。
- コングが罠を張って狩りをしてる描写、前作での「コングは武器を使って戦闘力を拡張できるのが強み」という特徴付けを更に広げてて良い。フィジカルだけでなく知恵で戦う怪獣
- 威嚇のために獲物の体液ビチャビチャになってテンション落ちてシャワー浴びたり、虫歯を痛がったり、人間的なかわいさを発揮するコング
- 対してゴジラはフィジカル性能で敵を圧倒し、コロッセオで丸くなって眠る獣っぽいかわいさを見せるなど、コングと完全に対照的になっていてキャラクター性の違いが明確で良い
- この後もコングが別部族の猿とのヒューマンドラマならぬモンキードラマを見せる一方、ゴジラは一貫して怪獣に喧嘩売るか寝るかしかしないという違いも面白い。コングは猿という社会的生物だからドラマがあるけど、ゴジラは孤高の怪獣王なので戦って最強であることを示せばキャラ描写として必要十分という方針
- それはそうと街中で人間への被害とか一切気にせずに怪獣と取っ組み合うゴジラを見てると「ゴジラ映画見てるな~」って気持ちになれる。VSシリーズやミレニアムシリーズで慣れ親しんだ実家の味。戦闘自体も躍動感あって良かったね
- 一方で「ゴジラは戦い終わったら海に帰る」という既成概念を打ち崩す「コロッセオで丸まって寝るゴジラ」という描写とそのかわいさにはびっくり。そういえば『KOM』で家ふっ飛ばされてたしね
- しかしゴジラにこうも動物的かわいさを感じることがあるとは……完全に恐怖の対象でしかなかった『-1.0』との温度差ヤバい
- 人間側のキャスト全然見てなかったけど陰謀論者今回も出るのか……
- 虫歯が痛くて地上まで出てくるコング笑う。あれで結構人間のこと頼りにしてるよねコングは
- 登場から爆速でキャラの濃さを見せつけるセクシー歯医者もだいぶ面白い
- 今回の陰謀論者、ほとんどコメディリリーフ。おいしいところは全部セクシー歯医者が持っていく
- そもそも今回の人間サイド、人数も絞られててほぼ怪獣の解説役みたいな感じで思い切ってる。ドラマパートはコングが担う
- 他部族にいきなり襲われても、相手が死にかけると慈悲を見せるコングがイケメンすぎる
- だが二度目はない(無慈悲)
- ガキのコング族、タフすぎ
- ↑今調べたらガキのコングはスーコって名前らしい
- ガキとコングの珍道中、人語一切なしでも心情が伝わってドラマとして成立してるのですごい
- 道中もモブの怪獣が山ほど出てきて、こういう「量」の映像クオリティは流石に敵わんなと感服
- ゴジラは北極でも怪獣に喧嘩売ってボコして寝る。行動が著しくシンプル。ピンク色成分はここで他怪獣から吸収するんだね
- 自分はミレニアム世代なのでピンクでトゲトゲしたゴジラも懐かしくて好きだよ
- スカーキングの村パート、人語一切なしでコング族同士がどういう関係性か伝わってきてすごい(二度目)
- スカーキングはコング族内でも圧政を強いている邪悪の王! というわかりやすいヒール描写
- コングがイケメンすぎる(二度目)
- ガキのコングの親父(仮)……いいやつ……
- ガキのコングの親父(仮)ーーーーーーッ!!
- ここで一気に「スカーキング許せねぇ……!」の気持ちになるのですごい。モンキードラマがちゃんとしてる
- 前情報だけだと「スカ―キング、ゴジラとコングの相手にしてはしょぼくない? ちゃんと悪役やれる?」とか思ってたけど悪役演技は十分すぎるし戦い方も個性があってちゃんと魅力的なヴィランに仕上がってた。氷属性のゴジラ亜種みたいなのを使役してるのも驚いたね。古代にゴジラと張り合ってたならゴジラ亜種を従えてても確かにおかしくはない。後で「シーモ」って名前が出てきたからゴジラ族ではないっぽい? けど。ちなみにメスらしい
- シーモちゃん鬼つえぇ! ここでスカーキング&シーモに「ゴジラとコングが束にならないと敵わない相手」としての説得力が出てくる
- 右腕に凍傷を負い追われながらも敵を罠に嵌め、ガキの協力で難を逃れるコング、やはり知恵と社会性の怪獣
- セクシー歯医者が万能すぎる
- 社会性の怪獣であるコングはあくまで冷静にゴジラに対話を求めるが、聞く耳持たずのゴジラ。完全に輩
- 同じライバル関係でも、ギドラとゴジラは地球の支配権を賭けた熾烈な抗争という感じだけどコング相手だと「喧嘩」って印象。特に理由なく戦ってて腐れ縁のアホっぽい感じ
- 容赦なく戦いに巻き込まれるピラミッドの破壊描写が良い! 「コロッセウムで寝るゴジラ」もそうだけど、今作は世界の有名なランドマークが景気よく破壊されるのが「ミニチュアで作った国会議事堂や東京タワーを派手に爆破するぜ」って特撮怪獣映画の精神をハリウッド流にスケールアップさせたようでかなり好き。今までのモンスターバースだと意外とそういうの感じなかったんだよな
- 今作でも「フィジカルスペックではゴジラが勝るが、道具を使いこなせればコングにも勝ち目が出る」という描写が徹底してて、この辺りのパワーバランスはかなり気を配ってそう
- ゴジラがコング踏みつけてるところはドキッとした。ギドラ戦でも前作の香港コング戦でも踏みつけが決定打になってたからモンバスゴジラの踏みつけはなんか恐い印象がある
- コングの言うことは聞かないがモスラに怒られたら頭が上がらないゴジラ良すぎる。ドハティが残した爪痕は大きい
- 今回のモスラ、金色&ふわもふで古代の設定的にも『モスラ3』のエターナルモスラ的な感じなのも最高
- セクシー歯医者が万能すぎる(二度目)
- 予告で散々いじられてた並走シーン、ふざけた絵面なのにいざ本編で流れるとめちゃくちゃ熱くてシビれた……
- そして始まる無重力怪獣バトル!!! 間違いなくこの映画で一番気持ちが盛り上がったシーン! 浮いてるのに迫力と躍動感があってこんな怪獣バトル見たことないぜ。アダム・ウィンガード監督もう一生ついていくよ……
(と思ったけどよく考えたら最近見たことあったわ無重力怪獣バトル。ほら、アニゴジ3で黄金の終焉が噛みついたゴジラが重力無視してふわーっと浮いていくやつ…… いやアレを怪獣バトルの数に入れていいもんか難しいけど) - ガキのコングがタフすぎる(二度目)
- コングは身内の人間以外の被害はそこまで気に留めないけど、モスラはしっかり守ってくれる「善の怪獣」なのもわかりみが深い。『KOM』のモスラは「ゴジラの味方」って感じだったしね
- スカーキングが地上に出た途端に嬉々として人間を襲い始めて、こいつは人類にとっても敵だし弱者をいたぶるのが大好きな「絶対悪の怪獣」というのがストレートに伝わってきて良い。とことんヒール演技に余念がない
- そして始まるリオデジャネイロ大決戦。ゴジラが熱戦吐きすぎて結果的に敵怪獣よりゴジラの方が被害大きくない? ってなるところも嬉しいポイント(なんだかんだで一番街壊すのはゴジラであってほしい)(なんなら街の破壊度を怪獣の格付けみたいに思ってる)
- いやマジでゴジラ強すぎる。熱戦吐いてるだけで全部終わる勢い
- ゴジラとガキコングが戦況をひっくり返し、コングがスカーキングに引導を渡す。同族だしね。粉々に粉砕していつも通り気持ちのいいフェイタリティ
- 勝手にシーモも倒す流れかと思ってたけど、制御装置が壊れたら味方になってコングについていったのは意外なハッピーエンド。無理やり従わされてただけならコングは恩人……恩猿? だもんね
- ジアとコングがそれぞれ「故郷」を見つけるエンディングはなんやかんやしんみり来る。アイリーン博士の泣きかけの演技がまた良いんだ
- コロッセオに帰ってまた寝るゴジラ、良すぎ。そこ気に入ったの? なんでこんなかわいいんだよ今作のゴジラ。他の怪獣前にしたら完全に輩なのに
こんなに怪獣側でドラマ回していいんだ、ってくらい怪獣メインの怪獣映画だった。
モンスターバースの怪獣たち、もうキャラとしてみんな魅力的で製作陣の怪獣愛をひしひし感じる。
途中ちょっと退屈さも無いことはなかったけど、クライマックスの大決戦でそんなものは全て吹き飛ぶ、怪獣バカの大怪獣バトル映画だった。最高!!