東京ゲームショウ2023!
TGSに行くのは今回が初めてで、一般日の1日目、9/23(土)に行ってきました。
インディーゲームコーナーを中心に色々遊んできたので、いくつかピックアップしてご紹介します。
螺旋麗嬢 スパイラルお嬢様 超髪のマキナ
最初に向かったのは、コナミブースの裏手にあるパートナータイトルの出展スペース。
お目当てはシルバースタージャパンによる新作2Dアクション、『螺旋麗嬢 スパイラルお嬢様 超髪のマキナ』の試遊。
シルバースタージャパンは『銀星将棋』などの囲碁・将棋ゲームを主力とするメーカーで、2Dアクションも『激闘戦士ナゲルンダー』といった良作を送り出してはいますが……とはいえ、新規IPの2Dアクションを定価6,380円で売り出すというのはなかなかガッツがあるなと注目していました。
TGSでは『ジャイアントお嬢様』の作者である"肉村Q"先生による描き下ろしの特典漫画冊子ももらえるということもあり、これは行って実態を確かめなければならぬと突撃してきた次第です。
本作の主人公"カミナガ・マキナ"お嬢様は、ドリル状の金髪ツインテ縦ロールを自由自在に伸縮させることができ、髪を敵や地形に突き刺すことによるワイヤーアクションが特徴となっています。
これがなかなかリーチがあって使いやすく、上手くスイングして飛び回ればスピード感が出ますし、敵に刺せばそのまま体当たり攻撃もできたりと、メインのアクションとしてしっかり爽快感があって楽しいものになっていました。
また、マキナお嬢様はパンチやキックなどの肉弾戦も達者であるという事前情報も聞いてはいたのですが、実際やってみると想像以上にコンボやコマンド技が豊富で驚きました。
スライディングもアッパーカットも急降下キックもお手の物。これが深窓令嬢の嗜みか……!
ただ、アクションが多彩なだけに、動きにやや固さを感じる部分もあったのは惜しいところ。
現状でも爽快感はあるものの、攻撃の繋ぎや崖登りがもう少しスムーズになればよりスタイリッシュに化けそうな気がします。
プレイ後アンケートもあったので、フィードバックを受けての改善に期待したいところです。12月7日のリリースが待ち遠しいですね。
お目当ての特典漫画も、4Pの短い内容ながらコミカルな魅力が詰まっており、良いものでした!
マキナお嬢様の後はインディーゲームコーナーへ。
【ヨカゼのおみやげ👜】
— ヨカゼ Yokaze (@yo_ka_ze) 2023年9月19日
「TOKYO GAME SHOW 2023」では、ヨカゼのゲームを紹介する冊子『ヨカゼブック』、ロゴがあしらわれた『オーロラ缶バッジ』などをご用意しております。
ぜひお立ちよりください🐋#東京ゲームショウ #TGS2023 #yokaze_games https://t.co/80rXo6vOgK pic.twitter.com/RcDfGrJ4Tw
特典の缶バッジ欲しさに、まずはヨカゼのブースに向かいました。
2周して遊んだのは、『果てのマキナ』と『狐ト蛙ノ旅 アダシノ島のコトロ鬼』
果てのマキナ
2連続マキナ。
お嬢様マキナと異なり、こちらのマキナは荒廃した世界を旅する様子です。
ゲーム内容としては、ツインスティック操作でブーメランを投げ、投げた先にワープすることでマップを探索していく2Dアクションゲーム。
なんですが、やってみた感想としてはまだまだ作りかけのゲームという印象が強めでした。
上昇が速いわりに下降がゆっくりなジャンプの挙動がちょっと気持ち悪かったり、敵やギミックのスイッチなどが見つけにくくかったり、会話デモのテンポがあまり良くなかったり。
全体的に触り心地の洗練されていない印象です。
ただ、ボス戦が始まるとメリハリの効いたアニメーションでボスの脅威度がしっかり演出されており、力を入れるべきところには注力されているようにも思えました。
本作は発売日未定でまだまだ先の長いタイトルだと思うので、今後の展開に期待ですね。
狐ト蛙ノ旅 アダシノ島のコトロ鬼
『狐ト蛙ノ旅』は、イラストレーター/コンセプトアーティストの"リアス"氏が自らのイラストを元にゲームとして制作しているタイトル。
というだけあり、美麗な絵本の中に入り込んだかのような感覚を得られました。
内容としてはマップの色々な場所を調べて探索しながら進んでいく、シンプルなアドベンチャーゲームのようでしたが、いかんせん体験できる時間が短く、ほぼ雰囲気しか掴めていません。
『果てのマキナ』の方もそうですが、ヨカゼのゲームはゆったりしたテンポでじっくりストーリーを楽しみたいので、あまりこの手の試遊イベント向きではない気もしますね……
ただ、本作は短いプレイ時間の中でも、一目でわかるグラフィックの作り込みや、テキストのセンスによる世界観・雰囲気の良さがしっかり伝わりました。
実際に触ってみて、ぼんやりとした「良さそう」という感覚が、ハッキリとした期待の色に変わるのを感じられましたね。
2024年発売予定とのことなので、来年の楽しみが一つ増えました。
スゴイツヨイトウフ:とうふのアクション
さて、後は適当に目についたものでも試遊していくか……と会場を歩き始めたところ、早々に視界に飛び込んできたのが「とうふ なれます」とだけ書かれた胡乱なPOP。
「何事……?」
別にとうふになりたいわけじゃないけど、興味は引かれます。
とりあえず近づいてみて発見したのが、こちらの「とうふになれ」という圧が凄すぎる試遊台。
そこまで言うならなってみるか、とうふ……
「○○のアクション」とわざわざタイトルに入れているのは、アクションの出来に自信があってのことでしょうし。
そんな気分で遊んでみたところ、予感はズバリ的中しました。
本作のアクションは非常にシンプルで、左右移動とチャージした勢いで任意の方向に飛び込むスマッシュの2つのみ。
とうふとは思えない強い弾力を活かしたスマッシュでジャンプや体当たりをかまし、立ち塞がるカニやチキンを蹴散らして、ステージ最奥にある味噌汁に飛び込むと、「とうふになった」という力強いメッセージが表示されてステージクリア! といゲームです。
そんなとうふにも弱点はあり、それは高所からの落下。
一定より高いところから落ちると、落下の衝撃でとうふは崩れてしまいます。
「とうふは、もろい。」
勢いがあって敵をバシバシ蹴散らす爽快感のあるスマッシュアクションと、一転して急に現実に帰ったかのようなとうふのもろさによる緊張感のバランスが絶妙で、シンプルながらも触り心地が良く、サッと遊べてすぐ楽しいアクションゲームとなっていました。
見た目はネタに走りつつも、中身は堅実。
そんなとうふのアクションは、2024年発売予定だそうで。
Steamでは超試食版が配信中なので、気になる方は是非DLしてとうふになりましょう。
LATE FEE GIRLS このバトルはあとでやります
講談社ゲームクリエイターズラボのブースにも、前にデジゲー博で遊んだ時からグラフィックの強化やキャラの追加がされていた『イノウノカルテ』をはじめに気になるゲームが多数ありましたが……特に目に止まったものが他に2本ありまして。
そのうちの1つがこちら、『このバトルはあとでやります』
いや、『LATE FEE GIRLS』ともでっかく書いてあるな……どっちで呼べばいいんだろう。
とりあえず内容を紹介すると、本作はエクソシストの少女たちが悪霊と戦う様子を配信して収益を得るという、異色な設定のRPG。
戦闘はターン制のコマンドバトルですが、ここにもユニークなシステムが盛り込まれています。
まず、敵はそれぞれ3×3マスのパネルを持っています。
プレイヤー側は攻撃によってこのパネルをめくることができ、ビンゴのように列を揃えてパネルをめくることで敵をBREAKさせて行動不能にし、大ダメージを与えることができます。
めくれるマスは攻撃の種類によって異なります。
物理攻撃はパネル内の決まった場所から攻撃1回につき1枚めくることができ、魔法攻撃は決まった属性のマスを一度に全てめくれる代わりに、その属性のマスがなければ1枚もめくれない……といった具合。
行動順はタイムライン形式で表示されるため、先のキャラの手番を見据えつつ、事前にどの技でどのマスをめくるか、どの敵をBREAKさせて効率よく出番を回すか……といった戦略性が生まれています。
しかし、本作の最も画期的なシステムは他にあります。
それは……作品タイトルにもなっている「あとまわし」
本作はシンボルエンカウントですが、敵とぶつかってもすぐに戦う必要はなく、戦闘をあとまわしにすることができるのです。
あとまわしにした戦闘はスタックされていき、任意のタイミングで戦うことが可能。
不意のエンカウントで探索を中断させられるあのストレスとは、このゲームでは無縁です。
さらに、スタックの中で戦う敵を入れ替えることもできます。
これにより、同じ属性の敵を集めて魔法で一網打尽にしたり、組み合わせを工夫して報酬をアップさせたりといったことが可能になります。
あとまわしにできる気軽さがあった上で、いざ戦うとなると戦闘前も戦闘中もじっくり考えさせられる、そんな奥深さを短いプレイ時間の中でも予感させてくれました。
あとは、キャラデザの良さなんかは一目見ればわかるところですが、テキストセンスも良かったところです。
軽妙なやりとりでチュートリアルから楽しませてくれるのは、良いゲームの証と言えるでしょう。
RPGでシステムも独特なのでどうしても試遊時間が長めになってしまい、後ろの人が気になって早めに順番を譲ってしまったのですが、ちょっと惜しいことしたかもしれません。
せっかく作った人も横で見ている状況だったので、最後までやった方が良かったかな……
きのこめあ
そして気になったうちのもう1本、今回の会場で最後に目にし、最も大きなインパクトを残したのが『きのこめあ』です。
展示スペースで最初に目に入ったのは、こちらのメインビジュアル(よく見たらこれはリメイク元にあたる『きのこぬん』のビジュアルのようですが)と、「しゃべるキノコと、共依存。」というキャッチコピー。
そしてゲーム画面には、頭にキノコを生やした女の子が映っていました。
(画像:作者Twitter(現X)より)
ゲーム内容としてはドット絵の脱出ゲーム的な、フリーのホラーゲームとかでよくあるアレっぽい感じです。
どうやらこの少女とキノコが、恐怖の館からの脱出を目指しつつ絆を深め合い、最後にはなんかいい感じで分離してお別れ……みたいな感じではないかと、そんな想像を膨らませていた時。
少女の頭に生えたしゃべるキノコが、突然ぐんと一回り大きくなったではありませんか。
どうやら、少女が歩き回っていると、段々キノコが成長していく様子。
最初はちょっぴりコミカルにも思えていた、頭にキノコを生やした少女の絵面が……急にひどく不穏な空気を帯び始めます。
探索を続けて少しずつ謎は解けていきますが、その間にもキノコはどんどん大きくなり、あっという間に少女と同じくらいの大きさになりました。
「頭が重い……」
青ざめた顔で苦しむ少女と裏腹に、どんどん上機嫌になっていくキノコ。
やがてキノコは少女よりも大きくなり、少女は身動きをとることも難しくなっていきます。
キノコの成長は止まらず、そして、最後には……
怖かった。
シンプルでかわいらしい絵柄であるが故の恐怖が、じっくり丁寧に描かれておりました。
最後の最後でとんでもないものを喰らわされた気分でしたよ……
『きのこめあ』も2024年リリース予定。
PVはこちらです。
というわけでTGS 2023、楽しんできました。
遊んだのはインディーゲームばかりになりましたが、一般展示コーナーの方もお金のかかってて見所ありましたね。
何枚もの超巨大モニターでFF7Rの映像を流すスクエニブースには圧倒されましたし、思わずレーザー光を避けたくなるMGSのブースも良かった。
こういうのは大きいイベントならではの魅力ですね。
人の多さにはちょっと参るものの、その分ゲームとの出会いも豊富。
今回初めてお目にかかったタイトルでは、やはり豆腐とキノコのインパクトが絶大でした。
味噌汁の具みたいな組み合わせですが……