なんだかんだで、ボリュームもちょっとは欲しい。
概要
メーカー:Tribute Games / Zenovia Interactive
プラットフォーム:Nintendo Switch / Steam
初リリース日:2021/09/28
まず見ていただきたいのがこちらのPV。
これは面白そう!
期待するポイントとしてはドット絵、BGM、ハイテンポなアクションの3点でしょう。
実際遊んでみたところ、上記の3点に関しては確かに納得の一本でしたが……難易度ノーマルクリアまでに1時間もしなかったボリューム感が、ちょっと気になるところ。
熱量を感じるドット絵とBGM
まず目を引くのは、やはりこのドット絵。
すみずみまで緻密に描き込まれ、そしてよく動く。
画面は常に賑やかで、始まりから終わりまで見応え抜群でした。
ただまぁ賑やかなのは良いことなのですが、背景も含めて全体的に彩度が高いせいか、若干見えにくかったり目がチカチカすることもありました。
見栄えと視認性を両立したドット絵というのも中々難しいんでしょうけど……
デフォルトではフィルターがかかっていますが、オプションで細かく設定可能。
個人的にはCRTフィルターだけONにするのが好みかな。
Steel Assault FM音源切替#NintendoSwitch pic.twitter.com/lPJ40EUdF7
— 紅茶 (@tea_creates) 2021年10月2日
BGMも熱い曲が揃っていますが、オプションでいつでもFM音源アレンジに切り替えできるのがこだわりポイント。
ハイテンポかつシビアなアクション
もう一つ本作の良い所が、アクションのテンポの良さ。
次から次へと敵が出てきては片っ端から潰していくのがもう楽しいったら。
ゲームスピードが速めでストーリーデモも最低限なので、実にテンポよくアクションを楽しめます。
アクションは8方向への電磁ムチと、2段ジャンプ、ワイヤーショット、そしてスライディング。
敵の多くはショットで攻撃してきますが、そのうち黄色や緑の弾はムチで打ち消すことができます。
一方、火炎放射や虹色のショットは消せないので、スライディングによる無敵回避や、ワイヤーショットでジップラインを引いてかわしていきます。
スライディングは連続では使用できませんし、壁や天井のないところでジップラインを引くことはできないので、地形や状況を見てアクションの取捨選択が重要になります。
ステージ2のボスやラストボスなんかは、このあたりの仕組みが上手く組み込まれていて特に楽しかったところですね。
弾を消すか、避けるか、ジップラインで安置に逃げるか。
ちょっとシビアだな……と思う場面もありますが、そこはスリルがあって良い、ということで。
ただ気になったのが、敵が間近にいるときムチがパンチ攻撃に化けること。
攻撃力もさほど変わりないし、むしろリーチが微妙に短くなって敵をまとめて攻撃できなかったりそもそも届かなかったりするのに対し、バフ効果の効果延長というメリットが微妙過ぎます。
正直、これはなくてもよかったな……
また、攻撃手段がムチとパンチのみの実質1種類で、シンプルで馴染みやすいもののややアクセントに欠ける印象もありました。
アクション自慢はハードで挑め
各要素は楽しいゲームではあるのですが、惜しむらくはボリュームの短さ。
ステージ数は全部で5つで、一つ一つもそこまで長くはありません。
簡単なゲームというわけでもありませんが、アクション慣れしている人なら難易度ノーマルでもそこまで苦戦はしないと思うので、クリアまで1時間かかるかどうか……といったところ。
正直、初見クリア時は満足感も何もありませんでした。
かといって、難易度ハードはダメージ2倍に加え、ミスした際のリトライがステージ途中ではなく最初からなのがちょっと厳しいところ。
ステージ自体はそれほど長くはないものの、敵の密度が高いので戻されたときの疲労感も結構強いのですよね。
とはいえ、何度もリトライするうちにだんだん動きが洗練されていくアクションの面白さ、クリアした時の達成感はしっかり味わえるので、アクション自慢の人に薦めるならこちらでしょうか。
参考クリアタイムはこんな感じ。
ハードでクリアタイムが6倍近くに増えており、苦戦の跡が伺えます。
まぁそれも結局ステージのやり直しによるかさ増しに近いものなので、ごまかしになってるかというと微妙なところですが……
ちなみに難易度はノーマルより下にイージーと超イージーまであり、アクション苦手な人でもサクッとクリアできるのではないかと。
そもそもこのゲームがアクション苦手な人の目に留まるのか……という疑問はありますが。
総評
ドット絵とBGMに込められた熱量はかなりのものですし、ゲームテンポがとにかく良い。
丁寧に作られたゲームであることは間違いないのですが、いかんせんボリュームの物足りなさは拭えないものがあります。
自分はハードまで遊んである程度満足しましたが、アクションがシンプルすぎるのもあって何度も繰り返し遊びたくなるほどハマりはしなかったかな。
定価1,680円は決して高すぎる値段ではないものの、あくまでボリューム感に納得できる人向けではありますね。