2Dアクション好きのゲーム日記

ゲームについて書く。2Dアクション多め。

『Blazing Chrome』&『Vengeful Guardian: Moonrider』2本まとめてレビュー

 

Danilo Dias氏とThais Weiller氏の2名からなるインディーゲームスタジオ「JoyMasher」
彼らのホームページへ行くと、こう一言書かれています。

「We know retro.」

どうもレトロゲームには一家言あるといった様子。
実際、彼らはこれまでにレトロな2Dアクションをリリースしてきてた実績があります。

今回はそのうち私がプレイした2本、Blazing Chrome『Vengeful Guardian: Moonrider』をまとめてレビューしていきたいと思います。

 

 

Blazing Chrome』レビュー:銃撃! 爆発! 超爽快! 熱く楽しいレトロアクション

メーカー:JoyMasher / The Arcade Crew

プラットフォーム:Nintendo Switch / PS4 / Xbox One / Steam

初リリース日:2019/07/11

価格:1,900円(税込)[Switch版] / 1,730円(税込)[Steam版]

このあからさまな魂斗羅リスペクト!
自分がやったことあるのは『魂斗羅スピリッツ』と『魂斗羅 ザ・ハードコア』ですが、見た目もアクションもまさにそんな感じの内容。

銃を手に取り、群がる敵を撃って撃って撃ちまくる!
ステージで武器を手に入れたら、場面に合わせて切り替えつつまた撃つ!
マシンガン! バズーカ! ビーム!
ただし……攻撃を一発受けるだけでミスになり、その時装備している武器は消えてしまう……
迫り来る強敵を前に、装備を失うリスクを天秤にかけつつ進む……この駆け引きがまた熱い!

また本作では、敵が間近にいる時に攻撃ボタンを押すと高威力の近接攻撃を出せます。
結構頼りになるので、戦闘によいアクセントを生み出しています。

 

バイクやアーマーなど、乗り物に乗って進む場面も多め。
この辺りはメタルスラッグなどの影響によるところでしょうか。そちらは私、やったことないんですけれども。

 

先に挙げた『スピリッツ』と『ザ・ハードコア』ではだいぶ難易度に開きがある印象ですが、本作は割とその中間くらい。
つまり、難しめではあるものの、難しすぎるということもなく程よい緊張感が味わえる絶妙なライン。
今回はダメだったけど、次こそは……と、そう思わせてくれる調整がされています。

高難度寄りの本作のゲームプレイを支えているのが、優れた演出とアクションの手触り、そしてゲームテンポの良さ。

ステージ開始演出やボスの登場、撃破演出まで、センスあふれるエネルギッシュな演出が随所に散りばめられており、良くゲームを盛り上げてくれます。
スーパーファミコン的な拡大・縮小など、コテコテなレトロな味付けも抜群。
それでいてクドすぎることもなく、ゲームテンポも非常に良好。アクションゲームはこうでなくちゃ。

操作も快適にして、敵を撃破すると景気良く爆発してくれるのでとにかく気持ちいい。
難しくもありつつ、それに見合った爽快感を与えてくれるゲームとなっています。

その他のポイントとしては、フィルターの種類がやたらと豊富だったり、クリア後に操作キャラが追加され魂斗羅風とはまた別のチャージショットアクションが楽しめるのも見所。

難点を挙げるとすれば、奥スクロールシューティングステージの視認性があまり良くないところ。
ボスを攻撃するとやたら画面がチカチカするので目にも優しくありません。
とはいえ、全体のゲームプレイからすると些細なところかな。

 

総評

魂斗羅が好きな人や、難しめのアクションが好きな人、レトロゲームへのこだわりがある人ならまず買って間違いなしの逸品。
作品の隅までエネルギッシュな魅力が詰め込まれています。

 

『Vengeful Guardian: Moonrider』レビュー:癖に慣れるとスピーディ! 意外と優しい斬撃アクション

メーカー:JoyMasher / The Arcade Crew / H2 INTERACTIVE

プラットフォーム:Nintendo Switch / PS4 / Steam

初リリース日:2023/01/12

価格:2,420円(税込)[Switch版] / 1,900円(税込)[Steam版]

こちらはロックマンXなどの往年の高速2Dアクションに影響を受けたタイトル。*1
実際、ゲームシステムや細かいフレーバー要素まで、ロックマンXに似た部分をかなり感じました。

基本操作はブレードによる3段斬り、ダッシュ、壁蹴り。
最初のステージをクリアすると6つのステージを自由な順序で攻略でき、ボスを倒すと新たな技が手に入り、ステージの各所に隠されたアイテムを入手し装備することでパワーアップできる……などといった具合。

3段斬りでザクザク斬りつけるのは気持ちよく、徐々にパワーアップを重ねて行くのも、それらしい楽しさがあります。

ただ、実際の操作感はわりとロックマンとは異なる部分が多め。

まず、ダッシュダッシュボタンを押している間ダッシュするという仕様。
押しっぱなしで気持ちよく駆け抜けられるものの、少し独特なのが、ダッシュジャンプ中もダッシュボタンを離すと失速してしまうというところ。
また、空中でターンしてもダッシュ状態が切れてしまうため、ダッシュジャンプの挙動はなかなか気難しいものがあります。

あとは壁蹴りはあるけど壁貼り付きは無かったり。

その他の特徴的なアクションとしては、ダッシュ斬り空中での急降下キック攻撃があります。
ダッシュ斬りは隙が大きいものの威力が高く、大体のザコ敵は一撃で倒せるのが爽快。
急降下キックも高威力かつ下方向へのカバーとなっていて、これらを上手く使えるとよりスピーディに敵を処理できるようになっていきます。

 

難易度は全体的に低め。
ステージ中は回復アイテムが多く置かれていてわりとゴリ押しが効きますし、ボスも体力がそこまで多くないので被弾しながらでも結構押し切れます。
終盤のボスになってくると流石にある程度歯応えも出てきますが、一部のボスから得られる特殊技がかなり強力なので、その辺りを活用できれば難易度はぐっと下がります。

ハードモード等はありませんが、難易度を上げる要素としては各ステージのクリアランクでSを目指すことでしょうか。
道中の敵をしっかり倒しつつ素早くステージをクリアすればよいだけなので仕組みはシンプル。

タイムを満たすには基本的にノーミスクリアが求められるため緊張感が出てきますし、ダッシュ斬りや急降下キック、特殊技を活用してスタイリッシュかつスピーディにステージを駆け抜けるのはなかなかの爽快感。

ただ……気になる点として、ポーズ中もタイムが流れ続けている上に、Switch版だとホーム画面にいる間もゲームが止まらず進行し続けているのですよね。
これにより、ポーズせずにホーム画面に行って中断した気になっていると知らない間にミスになっていたり、高ランクを目指す場合は一度ステージを始めるとクリアするまで一切中断できないなど不便です。

他にも、前作では豊富にあったフィルター機能が一種類だけの上にSwitch版だとやたらスクショ映りが悪かったり、翻訳が凄まじく雑だったり。

特に目につくのは翻訳でしょうか。
全体的にキャラの口調が安定せず、主人公の台詞回しが特に稚拙。世界観周りも雰囲気は伝わるものの、細かいところがよくわからず。
文字送りの位置やタイミングもおかしく、誤字脱字もあったりと、雑な翻訳あるあるは大体網羅しています。

どうもこのタイトル、ゲームプレイ以外の部分がことごとくお粗末なのですよね。

前作ではどれも問題なかったのですが……

演出周りも前作よりやや控えめに感じられるのですが、奥スクロールシューティングステージの視認性については改善が見られます。

 

総評

ダッシュアクションは癖があるものの、慣れるとスピーディで爽快。
ロックマンX』が好きならクスリとできる要素もあり、低めの難易度はサクッと遊びたい人にオススメです。
ただ、ゲームプレイ以外の杜撰なつくりや、あっさりすぎるボリューム感は少し値段に見合わない可能性も……セール中なら、あるいは。