2Dアクション好きのゲーム日記

ゲームについて書く。2Dアクション多め。

『Touhou Luna Nights』簡易レビュー:ユニークかつ丁寧に練られた、歯応え十分の良作

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ボリュームより密度で魅せる一作。

 

 

ゲーム概要

メーカー:Team Ladybug / PLAYISM/ Phoenixx

プラットフォーム:Nintendo Switch / Steam

プレイ人数:1人

初リリース日:2019年2月26日

価格:1,840円(税込)

本作は同人弾幕シューティング『東方Project』シリーズの二次創作ゲーム。

東方紅魔郷』のボスの一人である"十六夜咲夜"を主人公としたメトロイドヴァニア作品であります。

ちなみに筆者の東方経験値は『永夜抄』をイージーでクリアしたことがあるくらいですので、その方面にはあまり詳しくありません。

また今回は、8時間程で裏ボス・ボスラッシュまでクリアし、一方アイテム収集欄はスカスカという遊び方をした上での簡単なレビュー記事となっております。あしからず。

 

時間操作ギミックがユニークなメトロイドヴァニア

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主人公である咲夜は、「時間を操る程度の能力」を持つナイフ使いのメイド。

時間を止めたり、時の流れを遅くすることができます。

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時間停止中に投げたナイフが空中で静止し、時間が動き出すと同時に一斉に襲い掛かる! といった、どこぞの悪の帝王のようなアクションも可能。

 

この時間操作能力を活かしたギミックの数々が、本作の最大の特徴。

 序盤からシンプルな中に色々なギミックが盛り込まれていますが、進むにつれさらに、

「時間停止中も動き続ける物体」

「普段は静止しているが、時間を止めると逆に動き出す物体」

「時間停止中、時を巻き戻すように逆行して動く物体」などが登場し、

さらにそれらが組み合わさることで、「時間を止める」というアクションの中で多様なバリエーションの遊びが展開されます。

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そうした本作ならではのユニークな仕掛けをかいくぐりつつマップを探索し、時には新たな能力を開花させつつ、先へ先へと進んでいきます。

 

歯応え抜群のボス戦が楽しい

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そんなユニークなメトロイドヴァニアである本作ですが、個人的に特に楽しかったのは、どちらかというとボス戦。

こちらが時間操作というチートな能力を持っているだけに、敵も序盤からキビキビと動いて油断なりません。

進むにつれて攻撃もどんどん苛烈になり、新しいボスが出てくる度にしっかり苦戦させてくれる調整も見事。

原作が弾幕シューティングなこともあり、終盤には画面全体を使った激しい攻撃で見た目でも難易度でも戦いを盛り上げてくれます。

 

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そんな戦いを更にスリリングにするのに一役買っているのが、"グレイズ"というシステム。

敵や攻撃をギリギリかすめるようにして避けるとHP・MPが回復するというもので、回復したい時にこそ当たるかどうかのギリギリを攻めなければいけない、リスクとリターンを天秤にかけた緊張感のある攻防を演出しています。

序盤こそあまり存在感のないシステムですが、敵弾数が増えてくる後半からはこのグレイズが攻撃の起点として活きてきます。

敵の激しい弾幕に対し、時間操作を駆使して切り抜けつつ触れるか触れないかのギリギリを攻め、貯まったMPでスキルを放って反撃! という戦いの組み立てが実に楽しい。

 

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ボスは体力が多く長期戦になるため、しっかりパターンを組み、弾幕を切り抜ける操作精度を指に馴染ませないと勝利は望めません。

ラスボスと裏ボスは特に強く、苦戦しつつも徐々に勝利に近づいていく感覚が「こういう戦いを求めてたんだ……!」と思わせてくれるものでした。

といってもこれは、ほとんど稼ぎ作業をせずアイテム収集欄もスカスカな自分の感想なので、その辺りを意識して強化すればもう少し楽になるかもしれません。あまり検証していませんが。

 

総評

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時間操作を活かした様々なギミックに、丁寧な難易度曲線を描き終盤に向けてどんどん盛り上がりを見せていくボス戦。

本作のレベルデザインはただユニークなだけでなく遊び応えも十分なものになっており、非常に高い品質であると言えます。

気になる点があるとすれば、クリア後ステージの道中の敵配置に若干の理不尽さを感じたくらい。それも能力を駆使すれば突破できないわけではありませんしね。

マップはそれほど広くも複雑でもなく、探索アクションとしてのエッセンスを残しつつも遊びやすくコンパクトにまとまっているので、「どちらかというとステージクリア型のシンプルなアクションが好きだ」という人にも親しみやすいものと思われます。

東方はよく知らないという人も含め、広くオススメしたいタイトルですね。