2Dアクション好きのゲーム日記

ゲームについて書く。2Dアクション多め。

『Dragon Marked For Death』レビュー:個性豊かな6つのアクション! 厳しくも楽しいドット絵アクションRPG

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 あつまれ 龍血の郷

 

 

ゲーム概要

 メーカー:インティ・クリエイツ

プラットフォーム:Nintendo Switch / PS4 / Steam

ジャンル:アクションRPG

プレイ人数:1人(ローカル・オンライン通信では4人まで)

初リリース日:2019/1/31

価格:5537円(税抜)[Switchパッケージ版] / 4000円(税込)[Switch DL版, PS4, Steam]

Dragon Marked For Death│公式サイト

 

前回のレビューを読み直したところ、なんだか冗長で読みにくかったので、思い切って丸ごと書き直すことにしました。

めでたくSteam版も発売されたことですしね。

というわけで今回は、Switch版発売から15ヶ月、全14回のアップデートを経て進化した、『Dragon Marked For Death』Ver3.0.0時点でのレビューです。

といってもスクショを撮り直すのが面倒だったので、旧Verの画像をいくつか使いまわしていますが、たぶん内容にはさほど影響ないはず。

また、本作はローカル・オンライン通信での協力プレイに対応していますが、本レビューは大半をソロプレイで楽しんだプレイヤーの主観に基づいています。

あしからず。

 

 呪われし“龍血の一族”による復讐の物語

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「レムリア大陸」と呼ばれるその大地は、白神「プリマテス」の洗礼を受けし聖王家によって治められていた。

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かつて白神との戦いに敗れた古龍「アトゥルム」を信仰する「龍血の一族」は、人々から迫害を受け、王国から離れた土地でひっそりと暮らしていた。

しかしその郷もメディウス聖騎士団の襲撃によって焼き払われ、一族の巫女「アミカ」も攫われてしまう。

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運よく襲撃を免れ生き残った主人公は、聖王家への復讐のため、そしてアミカを救うため、古龍アトゥルムと契約し古龍の力をその身に宿す。

呪われし龍血の一族の物語が、幕を開ける――――

 

エスト式の2DアクションRPG

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ゲームはエスト式で進行。

城下町で人々の依頼を受け、クエストをこなす中でレベルを上げ、装備を手に入れ、鍛えた力でより上位のクエストに挑む。

それを繰り返して名声を高め、仇敵である聖王家への謁見の機会を手に入れるのが最終目標。

 

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エストの種類はモンスターの討伐を中心に、アイテムの収集や行方不明者の捜索など様々。

探索要素を伴う場合もありますが、基本的には敵をザクザク倒して進んでいくシンプルなアクションという認識でOK。

 

テキスト量はそれほど多いとは言えず、シナリオに関しては添え物程度に思っておいた方がいいでしょう。

限定版付属の設定資料集は結構練り込まれていただけに、ここは少し勿体ないポイント。

 

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キャラクターの育成は、レベルアップ時にどのステータスを伸ばすか選択するタイプ。

各自のプレイスタイルや、後述するキャラクター特性に合わせた育成が必要。

なおステータス割り振りは、一応後からでも変更可能ですので、ご安心を。

 

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装備アイテムはランダムに性能が決まるタイプではなく、種類・ランクごとに性能固定。

自由なカスタマイズ要素を求める人には少々物足りないかもしれません。

 

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各クエストごとにドロップテーブルが定められており、どれが手に入るかは運次第。

やはり強力なレアドロップアイテムを手に入れたいところですが、運悪く低ランク装備しか手に入らなくても、店で買ったり、素材アイテムを使って強化することが可能。

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素材は山ほど手に入るので、心配は無用

 

全6種の個性的な操作キャラクター

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本作の最大の特徴は、全6種類の個性的な操作キャラクター、

皇女戦士忍び魔女巫女盗賊

それぞれ2種類の武器を持ち、

皇女・戦士・魔女・盗賊は武器種ごとにアクションが異なり、

忍び・巫女は2種類の武器を同時に使って戦います。

共通する仕様として、通常攻撃を敵に当てるとDPというポイントが貯まり、DPを消費してそれぞれのドラゴンスキルを発動できます。

 

※SwitchDL版はキャラがバラ売りで、盗賊のアンロックに必要な「龍血の盗賊編」シナリオもDLC扱いになっているので要注意。

※価格改定に伴い、Switch DL版も全てのキャラが一括で封入されているスタイルになりました。

 

皇女

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皇女は最も基本的な性能のキャラ。

武器種は、オーソドックスな「剣」と、よりアクティブなアクションが可能な「軽剣」。

スキルは中~遠距離にも対応するドラゴンショット。

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ためて放つドラゴンキャノンは威力も絶大な必殺技で、上手く決まると気持ちいいい。

シンプルで扱いやすいキャラですが、逆に言うとあまりインチキはできず、丁寧な動きを求められるキャラでもあります。

 

戦士

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戦士はパワータイプ。

武器種は「斧」と「大剣」で、大きな差はありませんが大剣の方がややフットワークが軽め。

ドラゴンガードで敵の攻撃を防ぎつつ、高威力のチャージ攻撃をぶちかますのが基本です。

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あらゆる攻撃を無効化するガードが非常に頼もしい上に、体力の基礎ステも高く、チャージ攻撃中は怯まないのでゴリ押しがとにかく強くて爽快。

アクションが苦手な人でも、とりあえず戦士を使っていれば問題ないレベル。

非常に扱いやすいキャラです。

 

忍び

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忍びはスピードタイプ。

武器種は「苦無」と「手裏剣」。

二段ジャンプ、ホバー、壁蹴りが可能で、機動力に長けたキャラ。

戦闘ではドラゴンダッシュ体当たりで敵をロックオンし、必中の空中コンボを仕掛けます。

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通常コンボは威力が低いもののDPを稼ぎやすく、稼いだDPで強力なドラゴンスキルにつなげることで大ダメージを狙えます。

また、ドラゴンダッシュは発動中無敵なので、回避にも使える便利技。

DPの管理と空中での独特な立ち回りが求められるキャラとなっています。

 

魔女

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魔女は、本作の最も個性的なアクションである「魔法」を扱うキャラ。

武器種は戦闘向きの「魔導書」と、サポート向きの「魔導具」。

魔法は、コマンド入力で呪文を詠唱し、様々な効果の魔法(属性付与、拡散、ホーミング、威力強化など)を重ね掛けすることで、強力な攻撃が可能。

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コマンド入力に使うのはABXYボタンで、4つの属性がそれぞれ割り当てられている

コマンド入力と聞くと複雑そうな印象を受けますが、各コマンドは指の動きで覚えやすいものになっており、やってみると意外とすぐ慣れます。

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ドラゴンスペル発動中は魔法を連続発射し、全キャラNo.1の超火力を叩き出せる

戦闘時には属性関係や詠唱時の大きな隙を考慮する必要があり、他キャラよりややテンポが悪いものの、かなり個性的なアクションが楽しめます。

 

巫女

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巫女は本編クリアで使用可能になるキャラ。

ヒロインであるアミカとは別人。

武器種は「大剣」と「魔導具」で、魔女と同様コマンド入力による魔法を扱います。

素の状態では恐ろしく弱いものの、大剣の複製や機動力強化など、補助系の魔法で能力を強化することで戦うことが可能。

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複製した大剣をぶつけてズババババ! と斬るのが楽しい

常に強化状態を維持できているかを念頭に置く必要があり、大剣攻撃の間合いもあってテクニカルなキャラになっています。

 

盗賊

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盗賊は「龍血の盗賊編」シナリオをクリアすることで使用可能。

「龍血の盗賊編」に登場する盗賊とは別人。

武器種は「軽剣」と「手裏剣」で、忍びに匹敵する移動スピードを持ちます。

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ドラゴンクローで敵を攻撃すると、「レリック」というアイテムを獲得することができ、このレリックを消費することでレリックの種類に対応した技が発動します。

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各レリック数の管理は必要ですが、上手く活用すればダイナミックかつスピーディなアクションが可能。

 

オーソドックスで歯応えのあるアクションを楽しみたければ皇女

細かいことは考えず力で押し切りたいなら戦士

スピード感を重視するなら忍び盗賊

本作ならではの個性的なアクションを楽しみたければ魔女巫女

といったところでしょうか。

 

これらの、それぞれ個性的かつよく練り込まれた6人のアクションを楽しめるところに、本作の最大の魅力があると言ってもいいかもしれません。

操作性は快適で、どのキャラを選んでも軽快かつレスポンスのいいアクションを楽しむことができます。

この辺のこだわりは流石インティ・クリエイツといったところ。

 

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また、キャラの属性を変えることでアクション性能も変化するので、慣れてきたらこちらで遊び心地をガラッと変えてみるのも一興。

 

やや人を選ぶ手ごわい難易度

そんな本作、選んだキャラにもよりますが、難易度はやや高め。

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ステータスの割り振りが良くなかったり装備が貧弱だったりすると、敵に全然ダメージが入らなかったり、逆にこちらは一撃でやられてしまう、なんてこともしばしば。

またボスの攻略においても、しっかり敵の動きを見て回避パターンを組むアクション性を求められる面があり、一筋縄ではいきません。

どちらかというと、歯応えを求める人向けの難易度でしょう。

 

また、状態異常がかなり強く、対策がなければ一方的にやられてしまいがちなゲームバランスや、冗長気味なステージ構成、ただ面倒なだけのギミックがあるなど、やや人を選ぶポイントもあります。

個人的には、ED分岐の条件がとってつけたようでわかりにくいのもマイナスかな。

 

とはいえ、ゲームバランスはアップデートでリリース当初より大幅に改善され、遊びやすくはなっています。

頑張ってレベルを上げたり装備を整えればゴリ押しもある程度通用しますし、あるいはアクションのパターンを組み上げて難敵を倒した時には、確かな達成感を得られます。

少なくとも、本編クリアくらいまでは快適に楽しめると思います。

 

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また、Ver3.0.0ではTIPSエストのヒントが追加され、各種システム等も理解しやすくなりました。

困ったときは、TIPSの内容を確認してみるといいでしょう。

特に、ステータス割り振りを決める上で、ここをよく読んでおくのが重要です。

 

やり込み要素は修羅の道

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クリア後のやり込み要素は、より上位のクエストレベルの攻略と、レアドロップアイテムの収集、強力なネームドモンスターへの挑戦など。

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ドロップアイテムは一覧で確認可能

エストレベルが上がると、敵のステータスが上がるだけでなく、攻撃パターンも変化したり、新種の雑魚敵が配置されたりもするので、挑戦しがいのあるものになっています。

 

とはいえ、上位クエストに挑戦するには、やはりこちらもレベル上げや装備の強化が必要であり、この作業がなかなか大変。

先に述べた通りカスタマイズの自由度がさほど高くない中で、冗長なクエストを何度も何度も周回していると、流石に結構飽きてくることも……

加えて、レベル上げやクエストレベルの解放は6キャラそれぞれで個別に行う必要があり、複数キャラを育成しようとすると膨大な作業量に。

 

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また、上位のボス敵の攻撃パターンはさらに苛烈さを増しており、一目見ただけではどう対応すればよいかさっぱりわからない苛烈な攻撃や、回避がやたらシビアな技なんかをガンガン飛ばしてきます。

避けられないわけじゃないけど、慣れるまでがしんどい。

 

そんな感じなので、本作のやり込み要素は色々な意味で修羅の道と化しています。

悪い意味で時間がかかるという印象が強く、エンドコンテンツまでたどり着けるのは相当根気のある人かも。実際、自分は途中で止まっっちゃってます。

相手に合わせて属性やステータス割り振りを見直したりとか、楽しい要素もありますけどね、もちろん……

 

職人芸のドット絵とBGM

忘れちゃいけない本作の大きな魅力が、美麗なドット絵

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ドット絵職人集団で知られるインティ・クリエイツの作品の中でも、本作のドット絵は特に細やかに描かれています。

DS・PSP期を彷彿とさせるタッチで描かれたキャラクターや背景はもちろんのこと、イベントのスチルのドット加減も絶妙で、ドット絵好きにはたまりません。

 

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操作キャラのアニメーションも実にカッコよく、また可愛く動いてアクションの楽しさを底上げしています。

 

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また、地味に嬉しいのがカメラのズーム機能

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このように、カメラを近づけてじっくりドットを見ることも…

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逆に離して、広い範囲を見渡すことも可能。いつでも自由に切り替えられて便利

個人的に、特に目を引かれたのが酒場やショップの背景絵。

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この細やかな打ち込みはまさに職人芸。

 

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また、生オーケストラ収録のBGMも、各ステージの情緒を感じさせ、戦いをさらに盛り上げてくれます。

 

総評

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一部ゲームバランスにやや人を選ぶところはありますが、6種の操作キャラの快適かつ個性的なアクションや、細やかに描かれたドット絵の美しさは、流石のインティ・クリエイツと思わせる完成度。

歯応えのあるアクションを楽しみたい人になら、とりあえずオススメしても問題ないと思われます。

「アクションは苦手だけど絵柄が好みで気になる!」という人も、扱いやすい戦士を使うか、ローカル・オンラインで協力者を募れば問題なく遊べるかと。

気に入った人はエンドコンテンツまでの修羅の道を歩んでみるのもいいかもしれません。

 

長らく苦難のアプデで調整を重ねてきた本作ですが、Steam版も配信されて、始めるならまさに今!

あなたもなってみませんか…龍血の一族に!