2Dアクション好きのゲーム日記

ゲームについて書く。2Dアクション多め。

GB & GBCのロックマンシリーズを全作遊びました

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ニンテンドー3DSのeショップでバーチャルコンソールとして配信されている、ゲームボーイ(GB)のロックマンワールドシリーズの5本とゲームボーイカラーGBC)のロックマンX外伝2本を、最近になってはじめてプレイしました。

以前から存在は認知していて、コレクションとかで現行機に移植されたらやってみようかな~くらいに考えていたのですが、待っていたところで移植されるかわかりませんし、3DSのeショップもいつまでも続くわけではないので、買えるうちに買っちゃえ! と思い立って購入したのでした。

そのまましばらく積んでいたのですが、最近遊ぶ機会ができて一気にプレイ。せっかくなので所感をまとめてみようと思います。

普段のレビューよりかは、雑記に書いてるような感じでざっくりといきますよ。

 

 

ロックマンワールド

最初はもちろん『ロックマンワールド』ですが、遊び始めてすぐにクオリティの高さに驚かされました。GBでここまで破綻無くロックマンを再現・再構築できるのか!? と。

グラフィックは白黒になりつつも本家そのままの品質で、画面の狭さに合わせてゲームスピードやステージ設計が調整されているので、見た目でも遊びの面でもしっかり「これはロックマンだ!」と感じられるのですよね。

 

正直1作目なら『ドラキュラ伝説』みたいなのが出てきても普通だと思っていたので、このクオリティは想像以上でした……

いや、ドラキュラ伝説も別に品質低くはないしちゃんと面白くて好きですよ!?

ただ1作目時点だと本家の『悪魔城ドラキュラ』に比べたら色々オミットされてる感は否めないじゃないですか! そういう感じだと思ってたんですよ!

そしたら初っ端から『ドラキュラ伝説2』相当のものが出てきたのですごいなぁ、と。

 

FC版を踏襲した部分はもちろん、ワイリーステージで「お決まりのボスラッシュか?」と思わせて『ロックマン2』のボスが登場するサプライズ感など、各所のアレンジも見事でした。

現在連載中の漫画『ロックマンさん』で活躍中のエンカーさんと戦えたのも味わい深かったところ。

 

ロックマンワールド2

それから2ヶ月くらい間が開いちゃいましたが、『ワールド2』からプレイ再開。

オコワR20で稲船氏に「『ワールド1』とは別の会社で、あまりロックマンをわかってなかった」「上がってくるゲームの出来がよくなかった」などと酷評されていたり*1、ネット評価も芳しくなかったりでちょっと身構えていたのですが、遊んでみると全然しっかりロックマンな内容で楽しめました。

『ワールド3』などに対しても言えることですが、『2』のボスやステージにスライディングありで挑めたり、逆に『3』側に『2』の特殊武器を持ち込めたりといった、ちょっとした違いが面白いのですよね。

 

まぁでも確かに、終始ロックマンのようなロックマンじゃないようなBGMが流れてて不安になったり、設定のわりに存在がしょっぱすぎるクイントとか、何か違和感を感じる部分もあることは、ある……!

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特にワイリー! ロックマンと比べて明らかにちっちゃいワイリーが出てきたときはめちゃくちゃ笑った。

これが上がってきたらデザイナーでもあった稲船氏のテンションが下がるのもわからなくはない……最後ロックマンに爆破されるのも「その表現いいの!?」ってなる。

 

とはいえアクションゲームとしてはちゃんとロックマンに求める基準を満たしていたと思います。

難易度は控えめで、シリーズの他作品と比べるとサクッと終わるのですが、携帯機だしこれはこれであり。

ただ強いて言えば、メタルブレードを撃つときはオリジナル通り立ち止まってしっかり狙いをつけたかったかな。

 

ロックマンワールド3

『ワールド3』は、開幕でスパークマンステージを選んだらグラフィックと音響の進化に驚愕。

『ワールド2』までもGBの中では高水準なグラフィックだと思っていたのですが、そこからさらにパワーアップ。

BGMも曲自体はFCの『3』の印象そのままなんですが、ステレオサウンドが効いてて、FC版には無い魅力が付与されていました。

単に覚えていないか、GB実機は本体スピーカーがモノラルだったから当時は味わえていなかったせいかもしれませんが、GBでステレオサウンドを活用したゲームってあまりない印象だったので、なおさらびっくり。

ただ、パワーアップの代償としてわりと頻繁に重めの処理落ちが発生しているのはいただけません。この後の『ワールド4』や『ワールド5』でも解消されていないので、なかなか難しいところなのでしょうけど。

 

一方、難易度の高さも目立っていました。

ボスは比較的マイルドなものの、全体的にステージが長く感じるし、要求操作がとにかくシビア!

死因は大半が即死でE缶があまり役に立たないし、トゲ配置の作法には『ロックマン9』に近いものも感じました。

極めつけはワイリーステージのプレス機地帯。こういう場面で地面の下からトゲを出すか、普通!?

シーンは短いとはいえ、あそこに関してはX6以上のプレッシャーを感じました……

楽しくはあったものの、もう一歩ゆるい感じでもいいんですよ、と思うところもありました。

 

ロックマンワールド4

続く『ワールド4』でも、進化はまだまだ止まらない!

特筆すべき点としては、やっぱり演出の豪華さですね。

ワイリー城の入城シーンや、ラスボス登場シーンのアニメーション演出は特に印象的。

最終ステージの宇宙戦艦で、甲板を駆け抜け砲台ボスを撃破してから艦内に突入していくシークエンスや、バラード周りの演出全般も良かった。

BGMも名曲揃いだし、難しめでありつつシビアすぎないゲームバランスも絶妙。Pチップを集めての強化やアイテム購入といった新要素も上手く嵌っていました。

良かったところしかないのでベタ褒めするしかない……!

本家に引けを取らない、あるいはそれ以上のものを作る! という意気込みが感じられる、とにかく完成度の高い一作でした。

 

ロックマンワールド5

そしてワールドシリーズ最終作である『ワールド5』!

『ワールド1』『ワールド3』『ワールド4』を送り出してきた水口エンジニアリングによる、満を持しての完全新作ロックマン

今作の敵であるスペースルーラーズは、幼少期に『ロックマン&フォルテ』のロボット図鑑で見た時から「こいつらは他のロボットとは何か違う!」と気になっていて、ありが先生の漫画版『ロックマン ギガミックス』でもとびきり強く描かれていたことから「劇場版オリジナルボスの特別感」みたいなものを感じていたので、『ワールド5』はシリーズの中でも個人的に期待の大きい一作だったのですよね。

実際に遊んでみると、本作ならではのオリジナリティがふんだんにありつつ、ワールドシリーズの集大成にもなっていて、期待以上の一作でした。

 

チャージがロケットパンチになっているのも最初は慣れないものの、強化をしていくと「なるほど、これはロケットパンチじゃないとダメだ!」という性能になっていって納得。

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個人的にはラスボスのサンゴッドもかなりお気に入り。ロックマンのラスボスって基本ワイリーの巨大マシン+カプセルなので、人型で強いロボットとの戦いでゲームを締めるのはなかなか新鮮でした。ボスとして戦ってて楽しかったのは言わずもがな。

 

シリーズ最終作として非常に満足できた『ワールド5』でしたが……ひとつだけ不満を言うとしたら、色が無いこと!

オリジナル要素が強い分、モノクロ一色でしか描かれていないのがすごく惜しい。イロのついたスペースルーラーズと戦わせてくれ!

突然カプコンの気が狂ってリメイクしたりしないだろうか……

 

ロックマンX サイバーミッション

 

有終の美を飾ったGBのロックマンワールドに別れを告げて、次に向かうのはGBCに登場した『ロックマンX サイバーミッション』!

始めてすぐに気付かされるのはGBCロックマンXをやるのは流石に無理がある」という事実……!

足りない……! ボタン数も画面の大きさも……!

ダッシュは二通りのコマンドで出せるけど、十字キー二度押しだと咄嗟に出せないし、下+Aボタン入力だとダッシュジャンプに繋げられない。ダッシュが出しにくいので、狭い画面内でボスが体当たりしてきたりすると避けられない……終始これに悩まされる。

 

一応、GBCロックマンXを再現しようと頑張っているのはかなり伝わってきます。

GBCのゲームはあまり触れてませんが、グラフィックは綺麗だと思うし、処理落ちもほとんど無いのでステージを駆け抜ける快感は味わえます。

ただ、本作ならではの要素が乏しいので、単なる『X1』『X2』の劣化移植に成り果てている印象です。

オリジナルボスであるギーメルも、幼稚すぎる台詞回しが印象に残るキャラではありますが……ボスとしては凡庸な性能

ワールドシリーズは「ワールドはファミコン持ってない人用のロックマンだよね」などとは言わせない独自の魅力を付与できていたのですが、こちらは「これだったらスーファミロックマンXやった方が良いよね」としか言いようがありません。惜しい一作です。

 

ロックマンX2 ソウルイレイザー

GBロックマンラソンの最後を飾るのは『ソウルイレイザー

名前だけはやたらとよく見かけるタイトルでしたが、内容はゼロが使えることくらいしか知りませんでした。

実際に遊んでみた感想は……と、とても一言では言い表せない……

非常に清濁の入り混じった、入り混じりすぎているゲームなのです。

 

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まずゲームを始めて最初にお目にかかるのが見覚えのありすぎるこの文体。

…かんじる…

「駄」をかんじる!


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アイリスまでもが、まんまエイリアみたいなことを言い出す始末。

いきなり先行きが不安になります。

 

しかし、進めてみるとゲーム内容は『サイバーミッション』より改善が見られました。

登場するボスは『X1』『X2』だけでなく『X3』からも選出され幅が広く、アレンジが入ったステージやSFC版の複数のステージをミックスしたような構成もあり、さらに特殊武器の性能も変化していたりと、しっかり本作ならではの味付けがされています。

ダッシュが出しにくい問題も、エアダッシュが通常ダッシュより比較的出しやすいことで補われている感じがします。

また、ボス部屋も横幅が画面サイズより少し広めに設けられることで、窮屈な印象が軽減されました。

 

なかでも特に大きな魅力になっているのは、やはりゼロの存在。

今作のゼロは『X4』と同様セイバースタイルで、このゼロを使って『X1』~『X3』のステージ・ボスを攻略できるというのはかなり新鮮味がありました。

ゼロの性能自体も、歩き斬りやダッシュ斬りがわりと滑らかに繰り出せたりと改良が加えられています。

 

しかし、じゃあ良くなったところばかりかというとそうでもなく。

動く浮遊足場が重なった時の当たり判定は異様に不安定だし、壁に密着した状態でジャンプすると壁から離れられなくなる謎のバグがあるし、終盤のステージ・ボスのレベルデザインもだいぶクセが強めです。なんだよあのスフィンクス戦車は!? 誰なんだよ!?

マグマに触れてもわりと軽めのダメージなのに、水流に触れると即死なのも意味不明。

おまけにゲーム中で最初に出てくる水流は押し流されるだけなのに、それで油断してるとその後は全部即死という構成もすごい。じっくり見比べてみたけど流される水流と即死する水流の区別はつきませんでした。理不尽である。

追記:GB実機版では即死する水は光ってるらしいと聞いて、動画で確認したら確かに光ってました。なんでも電流が流れてるんだとか。あれで電流の表現って言い張るのはどのみち無理があるだろ!

あと、強化パーツが買えるようになる条件がソウルの累計獲得数でなくそのときの所持数なのもかなり謎。このゲームには謎しかない。

 

面白いかどうかを問われるとちゃんと面白い部分もあるのだけど、粗かったり謎だったり変なところも多分に含まれている。

この食感はどこかで味わったことがある……

そう、『ロックマンX6』だ!!

あとで調べたら、『サイバーミッション』と『ソウルイレイザー』もカプコン第3開発部だったらしい。納得しかない。

 

ちなみに、エックスミッション ⇒ ゼロミッション ⇒ エックスとゼロ合同のエクストリームと、周回によってプレイ体験が変わっていくのを感じているうちに、これまた既視感を覚えるものがありました。

そうですね、ゲームを繰り返し遊ぶ面白さを追求した傑作アクション、『Bloodstained: Curse of the Moon 2』です。

CotM2ってマジでソウルイレイザーだったんだ……

別に知らなくても良かったが……

 

まぁなんだかんだ言って、しっかりアクションゲームとして楽しめたし、変なところも大いに笑えたので面白かったです。

GBロックマンラソンの最後がこれで良かった。言うほど良かったか?

 

最後に、各章の最終ステージで、事件の黒幕たちが満を持して披露する個性的な語彙力を振り返って終わります。

 

まとめ

GB & GBCが舞台でも、初代ロックマンさんは安定の出来だったし、ロックマンXは相変わらずムラっけが凄かった。これに尽きる。

 

 

 

*1:R20+5 ロックマン&ロックマンX オフィシャルコンプリートワークス P.102