ゲーム概要
メーカー:WayForward / オーイズミ・アミュージオ
プラットフォーム:Nintendo Switch / PS4 / Steam
プレイ人数:1人
初リリース日:2020/5/28
価格:5,480円(税別)[パッケージ版] / 5,480円(税込)[DL版] / 3.090円[Steam版]
かわいいキャラデザと生き生きとしたアニメーション、軽快で基本を押さえたアクション性が好評の『シャンティ』シリーズ第5作。
自分は3作目の『シャンティ 海賊の呪い』を3DSでプレイ済み。
4作目の前作はステージクリア式だったようなのですが、今回は再び探索型に戻ったということと、あとはやっぱりキャラデザの良さに惹かれてSwitch版を購入。
少し気になるところはあるものの、期待していたものは十分味わえる良作でした。
リゾートの地下に眠る、海底遺跡の大冒険
人間とジーニーの間に生まれ、魔法の力で悪の魔の手から人々を守るハーフジーニーの少女、シャンティ。
今作ではホームであるスカットルタウンを離れ、生まれて初めてのバカンスを楽しむためパラダイス島を訪れます。
シャンティはそこでハーフジーニーが集まるショーに参加することになりますが、ショーのリハーサルの最中、シャンティ以外の5人のハーフジーニーたちが突如ステージから失踪。
彼女たちを探し出すため、シャンティは島の地下に眠る海底遺跡の探索に乗り出します。
ストーリーはシンプルかつコミカルな作風で、半ばオマケみたいなものです。
なので、特に過去作を事前にプレイしておかないといけないようなものではありません。
ありませんが……一方でシリーズのレギュラーキャラについての説明も特に入らないので、一部のキャラは過去作をやっていないと「急に出てきたけど誰だ?」となってしまう可能性があります。
シリーズ過去作で何か気になるものがあれば、そちらを先にプレイしておくのがいいかもしれません。
次々飛び出すセクシー&キュートなキャラクター
改めて言うまでもないことですが、本作の売りはやはりこのキャラデザ。
もうとにかくかわいい!
しかも立ち絵の種類もやたら豊富。シャンティだけでも10種類くらいあり、サブヒロインのハーフジーニーたちもそれぞれ3~4種類くらい用意されているので、ちょっと会話するだけでもセクシー&キュートなイラストが雪崩れ込んできます。
敵キャラたちもそれぞれ尖ったデザインで、刺さる人には刺さりそう。
発売前に話題になったトリガー作のOPムービーもばっちり収録。
ちなみにこのムービー、今作『7人のセイレーン』の内容とはそんなに関係ありません。
ゲーム本編でもアニメムービーが時折挿入されますが、こちらはトリガー作ではなさそう?
ちなみにこのムービー、初期設定では英語音声のみで字幕がついていないので、ゲームを始める前にオプションで日本語字幕をONにしておくことをオススメします。
肝心の最初のムービーが何言ってるのかわからなくなるので……
王道で軽快でカジュアル設計な探索アクション
本作のゲーム進行は、マップを探索して新たな能力を獲得し、それを利用して探索範囲を広げていく王道のメトロイド系探索アクション。
舞台が海中でエリア移動の際にトンネルを通ったりするのも、なんとなく『メトロイド』っぽい。
メトロイドとちょっと違うのはダンジョンの存在。
ダンジョン内にはハーフジーニーの仲間が捕らえられており、彼女たちを救出すれば、魔法の力を授かり新たな能力が得られます。
その能力を使ってダンジョンを更に攻略し、最後にボスと戦闘……という流れは『ゼルダの伝説』っぽかったり。
シャンティの基本アクションは、ポニーテールを伸ばした通常攻撃と変身魔法。
変身といっても、ダッシュや水中移動などの各アクション使用時にスムーズに切り替わるので、テンポは悪くなく、むしろ結構スピーディ。
変身するのはイモリや貝や亀など水に関連した動物で、進むにつれ形態が増えていきます。
実際動かしてみると、アクション面で本作ならでは個性といったものはそこまで感じませんが、逆に言うとシンプルで遊びやすく、操作性も非常に軽快なため、とっつきやすいアクションになっています。
特に、最初に手に入る「ダッシュイモリ」の能力は機動力が高く、無敵時間もあって攻撃もできる非常に使い勝手がいいもので、序盤からかなりアクティブに動き回れるのが良かったポイント。
その他にも、ショップでは遠距離攻撃やバリアなど戦闘をサポートする「秘宝」を購入できたり、画面内の隠しアイテムや見えない敵を映し出す「スキャンダンス」などのフュージョン魔法といった要素も存在。
秘宝では攻撃と防御を兼ねる「トゲボール」系列が非常に強力で終盤特に助けになりますし、ダンスによって発動するフュージョン魔法は派手で見栄えも良し。
本作はとにかく爽快感のある手触りが良くできていますね。
難易度は低め。
探索においては町の人に話しかけて情報を得る必要がありますが、ヒントを言う人はマークがつくのでわかりやすく、ストーリーを進める上でそこまで詰むような場面はありません。
ワープポイントも多くて移動もそこそこ快適。
また、アクション面でもかなりゴリ押しが効くつくり。
適当に進めていても回復アイテムが余るくらい手に入りますし、お金やアイテムを収集してステータスを強化することも可能です。
トゲが敷き詰められた場面では慎重に動く必要がありますが、それでもそこまで精密な操作は求められませんし、凶悪な即死トラップなんかもなし。
低めの難易度、シンプルで軽快なアクション性と、全体的にカジュアルで遊びやすい作風。
2Dアクションが苦手な人にもオススメしやすい王道メトロイドヴァニア作品になっています。
強化や回復を制限して難しくする遊びも可能ですが、個人的には爽快感重視でサクサク進めるのが楽しいゲームという印象です。
歯応えや工夫を凝らした攻略要素を求める人向きではないと思います。
アイテム収集はやや難あり
探索アクションといえばアイテム収集。
敵を倒すと確率でドロップし、3つまで装備して能力を微強化できる「モンスターカード」や、4つ集めて鍛冶屋に持っていくと体力が増える「命のイカ」、ボスモンスターカードと交換できる「金塊」など。
アイテム収集率を100%にしてクリアしたり、スピードクリアすることでイラストが解禁される要素もありますが、このアイテム収集率に運が絡むモンスターカードが含まれていないのは良いところですね。スピードクリアの制限時間は明記しておいてほしかったですが……
命のイカも鍛冶屋に行かなければ体力が増えないので、初期体力のまま100%を目指すプレイングができるのもユニーク。
ただ、一部のアイテムの隠し方はかなり意地悪に感じてしまいました。
普通に進めていてもクリアまでに70%前後集まりますが、一部のアイテムは何の変哲もないところに殆どノーヒントで隠されていて、「全部の場所でスキャンダンスしないと気付かないだろ!」と思ってしまう場面も。
ダンス魔法は予備動作があって魔力も消費するので連発するのは面倒なんですよね……
それでいてどこのエリアのアイテムをどれくらい集めたかの記録もないので、取り逃しが発生したときはもう悲惨。
自分は自力で集める気がしなくて攻略を見てしまいました……
その他細かいポイント
- BGMが非常に良かったです。曲数はそこそこですが、アラビアンテイストとChiptuneが組み合わさったサウンドは本作でも健在です。
- エリア移動時にはロードが挟まりますが、これがちょっと長く感じました。※自分がプレイしたのはSwitch版です。
- 自分のクリアタイムは7時間弱。100%クリアは攻略も見て8時間半でした。人によっては値段に見合わないボリュームと思うかもしれません。
総評
かわいいキャラクターに、軽快で手触りの良いシンプルアクション、手を出しやすいやさしめの難易度。
アイテムの隠し方やボリューム感にやや気になるところはあり、歯応えを求める人や探索アクションとしてガッツリやり込みたい人には少々物足りないかもしれませんが、
カジュアルにサクッと楽しみたい人、2Dアクションは苦手・初心者だけどキャラが気になる人ならまず買って間違いなしの王道メトロイドヴァニアとなっています。
値段が気にならないのなら、気軽にオススメしたい作品ですね。