早いもので、当ブログは本日で開設5周年となります。
開設当初に目標としていた「月1本以上のレビュー更新」には全く届いていない昨今ではありますが、おかげさまで細々と続けられております。
せっかくなので今回は、普段レビューを書くときに意識していることを書き連ねてみようかと思います。
何かの参考に……なるかはわかりませんが、「こんなこと考えながら書いてたんだな」と思って読んでいただければ。
嘘を書かない
まず一つ、当たり前すぎてわざわざ書く必要もないことではありますが、「嘘を書かない」こと。
特に、ゲーム内容に関しては事実と異なることを書いていないか十分気をつけます。
とはいえ私もいちプレイヤーに過ぎないので、ゲームの完全な仕様を知っているわけではなく、把握できる範囲には限度があります。
確認の難しいことについてはインターネットの集合知を頼ることもありますが、それも全てを鵜呑みにすべきではありません。
自分が持ち合わせるのはあくまで自身のプレイした範囲に基づく知見であることを念頭に置きつつ、知らないことは知らないと、推測交じりのことはそうとわかるように書くようにしています。
「狙い」を考える
どのようなゲームでも、そのゲームを作った人は面白いと思っているはずである
という考えに出会ったことがあります。
言った人がどこまで本気だったかはわかりませんが、これは部分的に頷けるところもあります。
少なくとも作り手の頭の中には「こうすれば面白くなるはずだ」とか「こういうタイプのプレイヤーになら面白いと言ってもらえるかも」というような「狙い」がどこかになければ、ゲームを完成させるのは難しいことでしょう。
それが実際どの程度作品クオリティに反映され、満足いく出来になっているかはまた別ですが。
そして、この「狙い」を紐解き、作り手の考える面白さを実現するためにどのようにゲームが構築されていったかを考察するのがレビューを書く上で一番楽しいところです。
時に、「狙い」がどこにあるのかわからないゲームに出会うときもあります。
困ったもので、こうなると面白いかどうかの判断も難しくなります。
そんなときも、めげずに「狙い」がわかるまで遊び続けます。
ゲームを心から受け入れる必要はありません。
ただ、せっかく買って遊んだゲーム。楽しめなくても、楽しみ方くらいは知っておきたいですからね。
とはいえ、全てのゲームにそれができるほど私も付き合いが良いわけじゃありませんし、またそれを他人に求めるつもりもありません。
よくわからないものに「よくわからなかった」と結論付けるのも、それはそれでひとつのレビューとして成立するものと思います。
「よくわからない」という感想を抱いたこと自体は、その作品にまつわる事実に相違ないのですから。
どれくらい遊んだかを書く
レビューを書いた時点でそのゲームをどれくらいプレイしていたかを明記しておくことはレビューの信頼性を測るものさしとして有用です。
同じようにレビューするのでも、例えば10時間でクリアしてから書くのと100時間やり込んでから書くのとでは感想の解像度が変わってきます。
ただ、これは単にプレイ時間が長ければ良い、というわけでもないと考えています。
長く遊べば遊ぶほど初見プレイ時の印象が薄れバイアスがかかってしまう恐れがありますし、「やり込んだ人のレビューしか認めない」となると、そのゲームを好きな人のレビューしか残らないことになってしまい、それはそれで不健全です。
さっきも似たようなこと書きましたが、「つまらなくて1時間くらいで途中でやめちゃった」だってひとつの意見ですからね。
大事なのはそのレビューがどういう視点から語られたものなのかを推し量れるようにすることです。
あとはまぁ、どのくらいでクリアできるかの目安にもなりますしね。
私があんまりプレイ時間のコスパを重視しないタイプなこともあり、結構忘れがちではあるのですが……
プレイ時間、あとはできれば「どのように攻略したか」などの情報は、書いとくに越したことはないと思います。
ネタバレなしで書く
当ブログのレビュー記事は、原則ネタバレなしです。
理由はシンプルで、私が基本的にネタバレを見たくないタイプなので、発信する情報も極力ネタバレを抑えたものにしたいから。
あと、ネタバレありで書くのもあれはあれで結構難しいんですよね。
一個ネタバレを許すとゲームの内容を網羅的に書かないといけないような気がして、どんどんまとまりが無くなっていったり……
私はかなり筆が遅い方なこともあり、ネタバレを避けて要点を絞って書く方が性に合っています。
ネタバレ込みでガッツリストーリーの感想を書くような記事の需要も理解はしているつもりなんですけどね。
ネタバレを含む具体的な作品内容を見てようやく作品に興味を持つという体験は私も身に覚えがありますし、その方がより濃い文章を書ける場合もあると思います。
まぁでも、そういうのは得意な人に任せるとしましょう。
この娯楽飽和時代、レビューを書く人もたくさんいるわけですし。
それに、ネタバレなしでもゲームの面白さを十分表現できれば、既プレイの人にも価値のあるレビューになるはず。
最も重要なのはゲームを通して生まれたプレイヤーの感情であり、如何にしてその感情が引き出されたかを紐解くことではないか、と思うわけです。
例えばネタバレなしで語るのが難しいジャンルとして、いわゆる叙述トリックの作品がありますよね。
で、そういう作品を紹介するにあたって書店とかWebの特集記事とかで「衝撃の展開に誰もが騙される ~叙述トリックの名作集~」みたいなラベリングがされてたりするわけですが。
「それを言っちゃったらもうおしまいだろうよ」という気持ちもありつつ、叙述トリックが好きな人に作品を紹介しようとしたらこうならざるを得ないのも理解できるところ。
ただ、それはあくまで知らない作品を紹介したい場合の話。
始めから特定の作品の評価を調べようとしている人に向けて「この作品は叙述トリックが良くて~」とか言い出したらそれこそ台無しです。
当ブログは検索エンジンからのアクセスが最も多く、それはつまり後者、特定の作品名を既に知っていて、その評判を確かめようとする需要が大きいということ。
であれば尚のこと、そういう作品をレビューするときは叙述トリックに加担するくらいの気持ちで書かねば、と思うわけです。
トリックに騙され衝撃を覚えたなら、「びっくりした」をなんか詩的な表現で例えたり、「物語の構成が巧妙で唸らされる」とか書けば、作品の魅力は伝わることでしょう。きっと。
強い言葉は使わない
ネタバレなしと並んでポリシーとして掲げているのが、「クソゲー」や「黒歴史」などといった強い言葉、特にネガティブな響きのものは使わないことです。
こういう一言でゲームの評価を決定付けてしまうような文言を使ってしまうと、それを読んだ他の人にも軽率なレッテル貼りを許してしまうことになりかねません。
そのゲームを好きな人からしたら、いきなり罵倒の言葉を浴びせられたらその後どんなに説得力のあることを言っても心に響かないことでしょう。
読んだ人を不快にさせるのは私の目的ではありません。
読まれるためにレビューを書いているわけではありませんが、読まれる場所に書いているのだという意識は常に持っておきたいです。
ちなみに、「神ゲー」も基本的には使わないようにしています。
SNSでの軽いノリならともかく、レビューで出てくる表現としては薄っぺらい感じがしちゃいますしね。
同じような考えのもと、ゲーム評価の点数化も行わないようにしています。
ゲームの面白さという定量化できないものを無理やり数値に押し込んでも、どこかで整合性が取れなくなって破綻するのは目に見えていますから。
一応「オススメ」「非常にオススメ」「圧倒的にオススメ」というカテゴリ分けで大雑把に線引きはしているものの、各カテゴリの中にグラデーションはあり、細かいところは文章を読んで判断してほしい、というスタンス。
また、オススメではない作品にはカテゴリ設定をしておらず、低評価を可視化しない試みを行っています。
最初のころは「ややオススメ」みたいな歯切れの悪いカテゴリが存在していたのですが、ほどなくして意味が無いと気付き、やめました。
だって、オススメのゲームは知って欲しいけど、そうじゃないゲームは別に知ってもらう必要ないですからね。
そのゲームについて知りたい人向けにレビューを置いとく必要はありますが、何故オススメでないのかは適当につけたカテゴリではなく、やはり文章を読んで納得してもらうのが一番です。
内輪ネタはあんまり使わない
普段、Twitter(X)上ではロックマンやインティ・クリエイツのネタを散々擦り倒している私ですが、レビュー記事ではあんまり内輪ネタは出さないようにしています。
レビュー読みに来る人の大半は私を知らない人でしょうしね。
逆に、雑記記事とかは一部のフォロワーしか読んでないだろと思ってるので、ちょいちょい小出しにしたりしていますが。
スクショは見やすく格好良く
当ブログでは傾向的に、グラフィックの美しさやサウンド方面について言及少なめです。
これらは正直、ストアページのスクショやPVを見れば大体わかるところではあるので。
ただ、文章だけだと味気ないしわかりにくいので、説明している内容をイメージしやすくするためにも自分で撮ったスクショや動画を貼り付けるようにしています。
このとき、普通にプレイ中に撮ったものを使うこともありますが、普通に遊んでて良い感じのスクショが撮れることってあんまり無いので、スクショを撮るためだけにゲームをもう一周プレイすることなどもあります。
攻撃の瞬間の一番エフェクトが格好良く見やすい感じで写るように、スクショボタンを連打しながら何度も素振りしたり、記事内で背景色が偏ると単調なゲームに見えてしまいそうなので良い感じのロケーションを探したり。
スクショ1枚撮るだけでも結構涙ぐましい努力があるので、キャラのアクションが綺麗に収まってるスクショがあったら「頑張って撮ったんだな……」と思っていただければ。
おわり
というわけで、以上がレビューを書くときに思うことでした。
改めて言語化するとなにやら小っ恥ずかしい感じもしますが、思ってた以上にわりと色々考えているな、と気付かされます。
読むだけで笑い転げるようなエンタメ性や感情を爆発させて引きずり込むような狂気は持ち合わせていない当ブログですが、とにかくゲームに誠実に、丁寧なゲームの紹介を心掛けてやってきました。
そういう文章をインターネットの隅っこに積み重ねておけば、なんかの役に立つこともあるでしょう。
最後に、ここまでの内容を踏まえて、5年間で書いたレビューの中から気に入っているものを紹介して記事を締めくくろうと思います。
気に入ってるレビュー記事
ロックマンシリーズ
ナンバリング11作品を詰め込んだ長文レビュー。
ロックマンのレビューはXシリーズやゼロシリーズも含め、どれも非常に手間暇かけた力作なので思い入れがあります。
本家シリーズのレビューは特に、A.K氏の言葉を引用して上手くまとまっているところが気に入ってますね。
各作品ごとに4枚のスクショをまとめて作品ダイジェスト的な画像を用意したのもこだわりポイントです。
ブラスターマスター ゼロ 3
ガンレベルの説明を中心に、シリーズとしてどのように進化を重ね完結編に至ったかを上手く文章化できた実感があり、満足いく出来のレビューです。
ゲーム自体も大好きな作品ということもあり、お気に入りの記事ですね。
白き鋼鉄のX2
作り手の「狙い」がどこにあるかわからず、しかしめげずにじっくり遊び続けた結果、自分なりの答えを出せた作品の一例です。
公開後の反響も大きく、記憶が正しければ私のブログ更新ツイートの中では最も多くリツイートされたものだったはず。
作品評価が割れる中で、肯定派にも否定派にも納得してもらえる、需要に応える記事が出せたのではないかと思います。
SANABI
ストーリー重視のゲームで、ネタバレを回避してどこまで魅力を伝えられるか、工夫を凝らしたレビュー記事です。
クリアした翌日に即書いたわりにはよく書けており、短い文章量でまとめられている点も満足しています。
この5年間で書いたレビューの中でも、ベストの出来ではないかと自負しています。